【野球】巨人・原監督 自身退任表明の裏で見せた審判員への最大限の敬意 異例の肩組みショット、“野球人”を労う

5回裏、原監督のリクエストは失敗(撮影・佐藤厚)
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 巨人・原辰徳監督が4日、最終戦のDeNA戦後に今季限りでの退任を表明した。

 自身の退任に注目が集まる中、原監督らしい“野球人”への心配りもあった。試合前のメンバー交換で、この日の試合を最後に引退する柳田昌夫審判員と肩を組み、笑顔で記念撮影。異例の光景だった。

 柳田審判員は元ヤクルト外野手。同時期に現役だった原監督は自身の最後に注目が集まるなか、試合後には柳田審判員のもとへ歩み寄り、熱く語りかけながら「ありがとう」と握手。ファンと一緒に拍手を送った。

 現役時代だけでなく、引退後のコーチ、監督としても退場したことがない。判定に疑問が生じればベンチを飛び出すことはあっても、時間を使わず審判の説明を聞くと引き下がり、試合後に判定への不満や批判を述べることは滅多になかった。

 原監督は“野球人”への仲間意識が強く、コメントからは常々リスペクトを感じさせた。勝負の世界でライバルへの自身がルーキー時代から起用を続けた沢村拓一がロッテへ移籍した時にも「同じ野球界にいるという部分では俺が味方だ」とエールを送っている。審判に対しても敬意を忘れず、プロのジャッジに信頼を置いていた。

 もちろん、審判員とは一線を引いている。ただ、最後のグラウンドで示した最大限の敬意。その思いが伝わり、感情を押し隠して27年間の審判生活を送ってきた柳田審判員からも満面の笑みが浮かんでいた。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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