【スポーツ】J1神戸の韋駄天ホープ浦十蔵は“長友2世” エムバペ級時速36キロ超「短距離は負けない」名前の由来「家10個建てる」

神戸MF浦十蔵
神戸MF浦十蔵(左)
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 J1リーグ初優勝へ加速している神戸に将来が楽しみなスピードスターがいる。東福岡高から入団したルーキー、MF浦十蔵(うら・じゅうぞう、19)。9、10月と行われた関西ステップアップリーで関西学生選抜、C大阪を相手に右サイドバック(SB)に入り、弾丸のようなオーバーラップで度肝を抜いた。

 自陣でボールを受け、右サイドを駆け上がると相手守備を一瞬で置き去り。ギリギリのロングフィードに爆走で追い付くと、敵陣を深く切り裂いてチャンスを作った。

 「スピードは魅せられるポジションなのでどんどんトライしていきたい。短距離は負けない自信ある」。

 最高速度は時速36・1キロ。チーム内ではFWジェアンパトリッキと1、2位を争う。世界的に見てもフランス代表FWキリアン・エムバペ級。神戸関係者は9月23日のC大阪戦(ノエスタ)でのデータを参考例に「一番、速かったのが山口蛍選手で35。ほかの選手は33くらい。36は出ない」と説明し、時速36・1キロは破格の数値だ。

 高校時に計った50メートル走は5秒8。プロ入り後は専門的なトレーニングも積み、「それより速くなっている感じはある」と、まだまだ伸び盛りだ。

 東福岡高出身のSBといえば、元日本代表DF長友佑都(FC東京)、現日本代表DF毎熊晟矢(C大阪)と偉大な先輩がいる。169センチと小柄ながら、長友をほうふつとさせる筋肉質で強靱なフィジカル。「いいお手本です」と、まだまだ荒削りながら、素質開花なら系譜に連なる可能性は十分だ。

 さらにチームには元日本代表DF酒井高徳、鳥栖ユース時代から憧れてきたMF飯野七聖がおり教材の宝庫。「自分の目標にする選手がたくさんいる。いいものを吸収しながらやっていきたい。ナナくん(飯野)のプレー集はずっと見ている。鳥栖の下部組織にいたので。試合前に映像を見たりとかは高校の時はあった」と、今は“弟子入り”し、クロスの精度を高めている。

 名前の「十蔵」には「お金持ちになる」との思いが込められた。「昔の蔵ってあるじゃないですか。10個、家を建てられるくらい、お金持ちになってほしいという意味。まだ一蔵もいっていない。高い夢だけど活躍すればないことはない」と野心満々だ。

 首位チームの層は厚く出番は簡単には巡らない。それでも「出られないと決めつけない。練習試合、練習のゲームでアピールしないと試合に絡んでいけない。そこはポジティブに練習からやっている」と力を蓄え、牙を研ぐ。東福岡高はラグビー部も強豪で3年時に日本一になった。同級生のプロップ有田睦(日体大1年)らとは仲が良く、今も連絡を取り合う。競技は違えど日本代表へ向け、切磋琢磨(せっさたくま)だ。(デイリースポーツ・荒木 司)

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