【野球】ドラフト指名漏れで注目の「順位縛り」はなぜ存在?広陵・真鍋以外にも条件付き選手は多数 仙台育英・仁田には会議中に確認の連絡

 プロ野球のドラフト会議が26日に都内で行われ、支配下72選手、育成で50人の計122選手が指名された。

 一方で指名漏れ選手も話題に。高校通算62発で“ボンズ”と呼ばれた長距離砲の広陵・真鍋慧内野手が4位以下なら進学する意向だったことから、ネットでは関連ワードとして「順位縛り」がトレンド入りした。

 この「順位縛り」。ドラフトでは決して珍しいことではない。実際、今ドラフトでも真鍋以外にも「3位縛り」、「4位縛り」、「支配下縛り」といった条件付きの選手が多く存在した。

 指名漏れとなった仙台育英の151キロ左腕・仁田陽翔投手も、育成はNGという「支配下縛り」を各球団に伝えていた。須江監督は支配下のドラフト終了後に、改めて「育成ではダメか」と連絡が入ったことを明かし、断りを入れたという。

 子供の頃から夢見たプロ野球の世界。プロ志望届を提出しながら、なぜ「順位縛り」は存在するのか。

 真鍋の場合は、高卒からすぐさまプロで活躍するためには一定の評価がされなければならないと、自身で設定していたという。下位指名から大成している選手も多くいるが、プロ入り時の契約金や年俸は上位と下位、育成選手では大きな差があるのも現実。「入れば横一線」とは言うものの、期待度の違いを感じることもあるだろう。

 また、評価が微妙な選手の中にはプロ入りが実現しなかった場合に進む大学や社会人が内定しているケースもあり、その受け入れ先から「順位縛りをしてほしい」と言われることもあるようだ。大学や社会人側にも枠はあり、希望を伝えるのも当然と言える。

 一方でプロのスカウトたちも、この日のために1年、それ以上の年月をかけて選手を追っているだけに、簡単には諦められない。指名順や指名人数などのチーム方針と照らし合わせて、水面下では「3位縛りを4位にできないか」などと、ぎりぎりまで交渉が行われるという。

 真鍋の指名漏れに関しては、「3位縛り」が影響した可能性は否定できない。それでも、わが子同然のように真鍋を思い、指導してきた広陵・中井監督は「これが現実。悔しかったら頑張るしかない」とハッパをかけたという。

 仁田の元には、ドラフト会議終了後に複数の大学関係者から連絡も。いわゆる“保険”をかけていなかったことから、須江監督は「指名漏れした段階でお誘いを受けた学校から選ぶ」と今後の方向性を示した。

 今年、1位で3球団競合の末にDeNAが交渉権を獲得した度会(ENEOS)も、3年前は指名漏れを経験した選手。今回、悔しさを味わった選手たちがどのような道を歩むのか。今後の活躍が期待される。(デイリースポーツ取材班)

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