【野球】巨人 異例の即戦力ドラフトに見えた狙い 評論家の視点「今年の船迫がいい例になった」「次のことも考えている」
プロ野球のドラフト会議が26日に行われ、巨人は支配下で5選手を指名した。
ドラフト1位は中大の155キロ右腕、西舘。2位以下の4選手は全て社会人チームから指名し、高校生は0という異例の即戦力ドラフトを貫いた。
3年連続で優勝を逃し、今季は2年連続で4位。来季、阿部監督の就任1年目で何とか低迷脱却を目指そうという、球団の決意が色濃くにじんだ。
巨人OBでデイリースポーツ評論家の関本四十四氏は「今年は投手に苦しんだから、即戦力で厚みを増したいというのは当然だろうな。西舘は前でも後ろでもできそうなタイプだし、他の投手ふたり(森田、又木)は左。チームが苦しんでいるところを埋めている」とした。
ドラフト会議後、水野スカウト部長が「優勝ができていませんので、即戦力というところで。あとここ1、2年育成の選手も育ってきているので」と説明したように、今年は育成出身の右腕、菊地が台頭。ファームでも京本ら育成選手が2軍戦で結果を残すなど、新しい芽が出始めている。
今年も、育成では高校生4人を含む7選手を指名。高校生、大学生を育成からじっくり育てていくという方向性も見えたことから、支配下では戦力補強を重視した格好だ。
2位のホンダ鈴鹿・森田は大卒5年目の26歳。関本氏は「今年の船迫がいい例になった。社会人を経て26で加入したけど、1年目で活躍した。もちろん長くやってくれたらいいが、26、27の選手でも3年間、4年間でも活躍してくれたら、という思いもあるのでは」と語った。
3位で日立製作所・佐々木俊輔外野手、4位でNTT西日本・泉口友汰内野手を指名した狙いについても推測。「レギュラーを狙える、中堅の野手を厚くしたいところ。泉口が守る遊撃には門脇がいるが、サードの坂本はコンディションの問題もある。年齢を考え、次のことも考えているんだろう」とした。
ここ2年のドラフトでは大勢、赤星、浅野、門脇、船迫らが活躍している。水野スカウト部長の「みんな来年から勝負してくれる。戦力になってくれる」という言葉に、ファンの期待も高まっている。(デイリースポーツ取材班)
▽支配下のドラフト指名選手は以下
1位…中大・西舘勇陽投手
2位…ホンダ鈴鹿・森田駿哉投手
3位…日立製作所・佐々木俊輔外野手
4位…NTT西日本・泉口友汰内野手
5位…日本生命・又木鉄平投手