【野球】楽天・今江新監督に託された使命とは 球団創設20周年の節目 ベテラン頼み脱却で常勝軍団結成へ

 うまく、そして強くバトンはつながれるのか-。今季は開幕でつまずき、4位で終えた楽天。2018年秋にGMに就任し、その後は監督と兼任するなど、長くチームの先頭に立ってきた石井一久前監督(50)が今季限りで退任。今江敏晃新監督(40)の下、新生イーグルスが始動した。2年連続のBクラスから、チームはどう再起を図っていくのかを考察した。

  ◇  ◇

 とにかく近年は突き抜けることができていない。18年9月に石井GMが就任した際「常勝の骨太チーム」を掲げたが、翌年からの順位は3位が2回、4位が3回。順位だけ見れば大崩れはしていないが、シーズン中の波が激しく、優勝争いに食い込めなかった。

 今季を振り返ると、序盤に浅村、島内ら主軸の不振が続き、出遅れた。一時は借金が13にまで膨らみ、最下位に沈んだ。

 それでも中盤から小郷、村林がレギュラーを獲得。投手陣も荘司、渡辺翔らルーキーが躍動し、チームが活性化。徐々に状態を上げ、7月には8連勝を記録するなど、最終戦までCS争いを繰り広げる粘りは見せた。

 昨季は正反対で、最大貯金18からの失速で4位に終わった。やはりチームとして必要となるのがシーズンを通しての安定感。石井前監督も「この試合を落とさないとか、チームのモチベーションが高いほど、勝敗は変わってくる。強いチームとの差はそこだと思う」と語っていた。

 チームとして転換期を迎えている。他球団と比べても20代前半で試合に出場する選手が少なく、投打で中心を担っているのは30代中盤より上。もちろんベテランが果たす役割も大きいが、選手層の底上げが急務だ。

 今江新監督も就任時「若手が出てきてくれないとダメ。難しいけど育成しながら勝ちたい」と育成と勝利の両立を目指すと宣言。編成トップを務める森井社長は「石井前監督が作り上げてきたベースを無駄にしないように」とベテランとフレッシュな力の融合で、層の厚いチームを作り上げたい考えを示した。

 現状を見ると、投手陣は荘司、渡辺翔のルーキーコンビに加え、今季高卒3年目でブレークした内、侍ジャパンにも選出された早川ら有望株が目立つ。

 一方、シーズン最終戦のスタメンで、最年少は26歳の村林だった野手陣は押し上げが必要。指揮官は、ともに来季高卒5年目を迎える黒川と武藤の名前を挙げ、「出てこないといけない選手。甘い世界じゃないので、何とか使いたいと思うような、我慢できる選手になってもらいたい」と奮起を促した。

 来季は球団創設20周年の節目を迎える。リーグ優勝からは10年遠ざかっており、常勝イヌワシ軍団結成へ、今江新監督の下、チーム全体のレベルアップが期待される。(デイリースポーツ楽天担当・滋野航太)

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