【野球】侍J・井端監督「二遊間はメドが立った」 WBC連覇へ小園、門脇が収穫 課題はスペシャリストの存在

 2023年のプロ野球は、WBCの世界一奪回から幕を開けた。シーズンでは阪神が38年ぶりに日本一。最後には井端弘和新監督の下、若き侍ジャパンがアジアチャンピオンシップで大会連覇。例年以上に長く、濃い1年が幕を閉じた。代表監督は「未来の日本野球は明るい」と語る。

 就任直後、井端監督は会見で「春にWBCで優勝しましたが、その時のメンバーでは今後も勝てないと思っています。若返る必要がある」と言った。3年後に控えるWBCで大会連覇を目指す上で、危惧していたのは二遊間の世代交代だった。

 代表の二遊間は近年、坂本、菊池、山田、源田らが常連。今大会では、主に二塁を守った山田が31歳で、遊撃の源田が30歳だった。WBCメンバーでは、25歳の牧、27歳の中野らもいるが、若手の台頭が急務だった。井端監督は全4試合で小園、門脇を起用。「メドが立ちました」と収穫を口にした。

 「源田選手も次のWBCだと35歳、五輪では36歳。入ってきてほしい選手ですけど、次も考えないといけないのかなと思っています。その中で門脇選手、小園選手、今回、故障で来られなかった紅林選手と、次世代で出てきてほしいです」

 WBCでは主に33歳の中村と、31歳の甲斐が守った捕手も同様。今大会では主戦3試合で坂倉がスタメンマスクをかぶった。二遊間の2人は安定した守備に加え、小園は打率・412とバットでも活躍。門脇は19日の決勝韓国戦、延長十回にサヨナラ打を放つなど、勝負強さが光った。元々、日本が世界に誇る投手力に加え、センターラインの充実が好材料として残る。

 一方、課題として語ったのは走塁面だ。「今回はスチールでミスも目立ちましたし、アウトが多かった」と前置きした上で、各国の警戒と捕手のスローイング、投手のクイックなど技術面の向上は予想以上だった。

 「台湾、オーストラリア、韓国とかなり警戒してきて、捕手のスローイング等も向上していると分かった。その中で、走塁がもう一つ課題だと思います」

 今大会では小園、岡林が二盗を試みたが失敗。大会を通じて盗塁は0に終わった。「今までそこそこ盗塁ができていたところができなくなると、これだけ得点も苦しくなるんだと感じました。そこは自分でも対策を練って考えていこうかなと思います」と井端監督。機動力は日本野球の武器でもある。周東のようにスペシャリストな存在が、国際大会では重要になることを再確認できたことも収穫だ。

 今後は来年のプレミア12を皮切りに、3年後のWBC、野球が復活する28年のロス五輪も控える。国際大会で勝ち続けるために、見えた侍ジャパンが進むべき道筋。「変革」したチームの課題と収穫を手に、まずは来年3月6、7日に欧州代表と強化試合に挑む。(デイリースポーツ・田中政行)

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