【野球】ロッテ・佐々木朗希 令和の怪物「5カ年育成計画」4年目の現在地とは 来季課題達成へ
“令和の怪物”の現在地は-。「5カ年育成計画」の4年目となった今季はWBCに出場して世界一を経験したが、レギュラーシーズンでは3度の離脱に泣いたロッテ・佐々木朗希投手(22)。計画5年目となる来季の課題は「中6日登板&150イニング」の達成だ。さらなる飛躍へ、鍛錬の冬を過ごす。
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山あり谷ありの1年間を過ごした。佐々木朗は「前半良い形で投げられたんですけど、後半はけがで離脱してしまったので、すごくもったいなかった」。10月21日、CSファイナルSでオリックスに敗れて日本シリーズ進出を逃した直後の表情には悔しさがにじんでいた。
今季は侍ジャパンの一員としてWBCに出場し、世界一に輝いた。開幕からは3連勝を挙げ、自己最速165キロを計測するなど、順調に腕を振った。だが、後半戦に入って右手中指のマメ、左脇腹肉離れ、発熱と3度離脱。15試合に登板して7勝4敗、防御率1・78ながら、規定投球回には到達できなかった。ポストシーズンでは、ソフトバンクと戦ったCSファーストS第1戦で3回無失点に抑えたが、ファイナルSでの登板はなかった。
今年は「5カ年育成計画」の4年目だった。高卒でプロ入りして5年後となる来季には、大卒の同学年選手がプロ入りする。それと同時に開幕からローテーションを守り、規定投球回を達成できるようにというプランだ。計画5年目を迎える来季に向け、吉井監督から「中6日登板&150イニング」と課題を出されている右腕。勝負は「今オフ」だと黒木コーチは話す。
「彼がまずやらないといけないのは、規定投球回数と1年間ローテーションを守る体力づくり。5年目になる来年に向けて、この秋と冬にしっかりとやれるかがポイント」
秋季練習前、投手陣は課題と今オフのプランを黒木コーチらに提出。右腕は「1月に入ってから、しっかりとボールを投げる」と目標を設定したという。今秋はできる限りノースローで過ごし、フィジカルトレーニングに励んでいる。剛速球を1年間投げ続けられるタフな体に仕上げられるかが鍵となる。
大きな収穫もあった。WBC前には淡々とマウンドで仕事をこなすイメージだったが、今年は試合中の一球一球に感情があふれた。黒木コーチも「このバッターをねじ伏せてやるっていう、マウンドでの空気や立ち居振る舞いが見えた」。WBC準決勝・メキシコ戦で先制3ランを浴び、流した悔し涙。世界の舞台で学んだ一球の重みを胸に刻んだ。
「短期決戦の難しさだったり、面白さは新たに経験できた。次、同じような機会があった時に結果を出せれば」。シーズン終了と同時に来季を見据えた令和の怪物。パワーアップした姿で2024年に挑む。(デイリースポーツ・南香穂)