【野球】中田翔が加入する中日は来季優勝できるのか 2年連続最下位チームがAクラス入りする可能性は?評論家が分析

 昨年オフに結んだ巨人との3年契約を破棄した中田翔内野手の中日移籍が決定した。日本ハム時代に3度の打点王に輝いた中田は、球団史上初の2年連続最下位に沈んだ立浪竜を2011年以来、13年ぶりの優勝に導くことができるのだろうか。

 中日は今季、リーグワーストの390得点に終わった。555得点でリーグトップだった阪神とは165得点差、リーグ5位の493得点だった広島にも103得点差をつけられるなど、得点力不足が低迷に直結したことは否定できない。

 中田が任されるポジションは「4番・一塁」が濃厚。中日で今季一塁を主戦場としたのは来日8年目を迎えたビシエドだったが、打率・244、6本塁打、23打点といずれも自己ワーストの数字に終わった。シーズン途中のトレードで日本ハムから加入した宇佐見は捕手との兼用で一塁に就き、打率・282、3本塁打、14打点だった。

 阪神OBの中田良弘氏は「得点力不足、決定力不足に泣いてきた中日にすれば、中田の加入によって、ある程度の得点力アップは計算できると思う。今年78打点を挙げた細川、13本塁打の石川昂とマークが分散することで、相乗効果が生まれる可能性がある」とした。だが、続けて「来年4月に35歳となる中田が143試合にフル出場できるかといえば、必ずしも大丈夫とは言えないように思う。最近は筋肉系のケガが増えているようだし、ここ3年は規定打席に到達できていない。だから、中田ひとりの力で中日を優勝、Aクラスに導けるかといえば、そこには疑問符がつく」と解説した。

 中田氏がチーム浮上のカギのひとつに挙げたのは、来季に3年契約の最終年を迎える立浪監督の起用法を含めた采配だ。「一塁を主に中田が守るとして、まだビシエドや宇佐見もいる。中田の調子が下降線に入った時に引っ張りすぎず、他の選手の起用に踏み切れるか。常に旬の選手をグラウンドに送り込むことができるかが、大事になってくると思う」と位置づけた。

 また、中日低迷の要因に得点力不足が取り上げられることが多い中、中田氏は二遊間を固定できていない現状が投手を苦しめていると指摘した。「野球ってセンターラインなんだよね。二塁に関しては阪神から移籍した山本(泰寛)が面白い存在になると思う。小技が使えるし、右打ちでチーム打撃にも対応できる。守りもまずまず。野球を知ってる選手だから」と評価した。また、右肩手術で今季1軍出場のなかった田中幹也についても「立浪監督の評価が高いと聞いてるし、手術を経て、どこまでやれるかに注目してる」とした。

 遊撃については「龍空、シーズン終盤にはカリステらを使ってたけど、打つ、打たないに加えて、併殺の取り逃しが多かった。二遊間が絡む併殺プレーを増やすことができるかも、中日が浮上できるかのカギを握ってると思うよ」と指摘した。

 中田や山本以外にも、前巨人の中島宏之、前ソフトバンクの上林誠知、前阪神の板山祐太郎を獲得した。また、大塚投手コーチがドミニカ共和国で行われているウインターリーグを視察し、打てる外国人探しに奔走している。

 投手陣は打線の援護に恵まれず、柳、小笠原、涌井、高橋宏が2桁敗戦を喫したが、ポテンシャルは高い。抑えのマルティネスも万全。中田の加入が打線だけでなく、チーム全体に波及していけば、決して侮ることはできない。(デイリースポーツ・鈴木健一)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス