【野球】侍ジャパン・ドリームチーム結成に向け、サッカー界同様、海外組の国際試合出場を半義務化する制度の検討は必要か

 侍ジャパンのドリームチーム結成に向け、サッカー日本代表のように、海外(MLB)組の国際試合出場を半義務化する制度の検討が必要かもしれない。

 今オフも日本球界を離れ、MLBに活躍の場を求める人間がいる。すでに、山本由伸のドジャース入りや松井裕樹のパドレス入りが決定。今後は、DeNAの今永昇太や日本ハム・上沢直之もメジャー入りに向けて、交渉を続けていくことになるだろう。

 10年総額7億ドル(約1015億円)という史上最高の契約金でドジャーの一員になった大谷翔平やパドレスのダルビッシュ有、カブス・鈴木誠也、タイガース・前田健太、ブルージェイズ・菊池雄星やメッツの千賀滉大も来季、MLBでプレーする。さらに、史上最年少の三冠王であるヤクルトの村上宗隆や同じヤクルトの田口麗斗、今季、自己最多の25本塁打を放った日本ハムの万波中正なども将来のMLB挑戦に含みを持たせる発言をしている。そのため、今後は日本球界の空洞化が加速するかもしれない。

 ここで持ち上がってくるのが、侍ジャパンへの招集問題だ。国際舞台ではMLB組の存在抜きには語れないからだ。サッカーの場合、海外でプレーする代表選手は在籍国内リーグのリーグ戦、カップ戦などをこなしている。選手によってはその合間を縫い、欧州チャンピンズリーグ(CL)などでもプレーしている。だが「招集レター」によって、代表選手として国際試合への出場が半義務化されている。

 国際サッカー連盟(FIFA)の規定では、各国サッカー協会は年齢制限のないAナショナルチーム(A代表)同士の国際公式試合が行われる試合日の2週間前までに、呼びたい選手が所属する各クラブに「招集レター」を送って通知する。各クラブは、その試合が対戦日の指定された「FIFAインターナショナルマッチカレンダー」(国際Aマッチデー)で行われる場合、年間7試合までは選手を無条件に送り出さなければならない。該当選手やクラブが代表招集を辞退および拒否したとしても、各国協会側がその選手の代表招集を撤回しない限り、クラブの試合には出場できない。代表戦がW杯予選などの公式戦の場合は試合日の4~5日前までに、親善試合の場合には48時間前までに、選手をクラブのスケジュールから解放する必要もある。

 来年元日に行われるタイとの国際親善試合(国立)は、国際Aマッチデーではないため、三笘薫(ブライトン)や久保建英(レアル・ソシエダ)ら現代表の主力はメンバー外となっただけのことだ。

 2026年に予定されている次回のWBCでは連覇がかかっており、現役日本人メジャーリーガーを含むドリームチームの結成は必要だろう。もし、サッカー界のような「招集レター」制度が導入されれば、日本人メジャーリーガーの参加も増えるに違いない。高レベルの選手の参加は大会の価値だけでなく、世界における野球の認知度もさらに上げるはずだ。(デイリースポーツ・今野良彦)

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