【野球】アンダースローに、両投げ両打ちの小学生 侍J・井端監督も驚く将来性豊な日本野球 大谷翔平が与える効果

 小学5、6年生の選抜チームによる軟式野球「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2023」(26日~28日まで、神宮・横浜)が開幕した。

 第1回大会ではソフトバンクの近藤や、元阪神の高山らがロッテジュニアとして出場。以降、阪神の佐藤輝や浜地、門別、ヤクルトの田口や中日の根尾や高橋宏など、86人のプロ野球選手を輩出した“登竜門”である。

 今大会ではDeNAジュニアに、侍ジャパンの井端監督の長男・巧くんと、DeNAの小池外野守備コーチの次男・樹里くんが所属した。西武ジュニアには西武・中村の次男・航大くんが在籍。また、プロ野球選手の息子以外にも、将来性豊な少年少女が多かった。

 まず衝撃を与えたのが、広島カープジュニアの藤井隆太くんだ。26日、横浜スタジアムで行われた初戦・DeNAジュニア戦に先発。下手投げから最速115キロの速球で、5回途中まで3安打1失点(自責点0)と好投を見せた。安部監督は「ナイスピッチ、ナイスバッティングですよ。(選考会で)初めて選んで行くときに、即決でした。カープジュニアのエースです」と絶賛する逸材だ。

 元々は上手投げだったが、小学5年生の春に右肩痛を発症。投げられない日々が続く中、今年の春、社会人・日本生命の野球教室に参加した際に「ちょっとアドバイスをもらって、肘を下げてアンダースローにしていきました」と振り返る。思わぬ“金の卵”に、息子の応援で駆けつけた井端監督も直接会って激励。「アンダースローでも、球が速いので驚きました」とし、「すごいボールを投げる。肩が治ってオーバースローで投げられるようになるかもしれない。これからも頑張って」と肩を抱き寄せた。

 同日、2試合目に出場した巨人ジュニアには、両投げ両打ちの原悠翔くんが所属する。投手としては右で最速126キロ、左で最速122キロの速球派。西村監督は「基本は右投手なので左に関しては点差が開いてチャンスがあれば…」と話すが、練習試合などでは登板済みで、無限の可能性を秘める逸材だ。

 原くんが背番号「17」を付けるように、米大リーグ・ドジャース入団が決まった大谷翔平投手が、野球少年、野球少女に与える好影響は計り知れない。世界的な二刀流の大成功から、少年野球でも型に縛られない指導や、育成が目立つようになった。

 楽天ジュニアに所属し、27日のDeNAジュニア戦の初回、先頭打者アーチを放った金原跳くんや、身長135センチと小柄ながら、飛距離も魅力の福田愛斗くんが憧れる人も「大谷選手」。野球技術だけじゃなく「ゴミ拾いをしたりとか、人間性が素晴らしくて、カッコいいです!」と目を輝かせる。

 U15の代表監督を兼務する井端監督は「レベルは上がっていると思う」と驚く。昨年、今年とU12の代表監督も歴任した指揮官。今大会では柵越えの本塁打を多く「僕も子供たちには『ホームラン打て』と伝えていた。子供はどれだけ伸びるか分からない。今は飛距離を追い求めて、次の日に1メートルでも遠くに飛ばすという気持ちでやっていってくれたら」と言う。その上で「今は小学生でもすごいなと思う。ここから3年後ですかね。楽しみに待っていようかなと思っています」と成長を期待する。

 野球人気の低下、野球人口の減少が叫ばれる昨今。それでも個性豊かな子供たちの活躍に、無限の可能性を感じさせる大会でもある。(デイリースポーツ・田中政行)

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