【野球】阪神を38年ぶりの日本一に導いた岡田監督 平田ヘッドが感じた変化
「岡田監督がベンチでよく笑っている」。18年ぶりのリーグ優勝&38年ぶりの日本一に歓喜した虎党は、白い歯を見せる指揮官の姿をよく目にしたのではないか。参謀役として支えた阪神・平田勝男ヘッドコーチ(64)が見た今シーズンの岡田監督の姿とは。
「ベンチでよく笑っておられるやん。そこは本当、野球の采配とか、そういうのを楽しんでるっていうか。違いを見せつけるというのを感じたもんね。余裕を感じたっていうのかな。負けた後、我々はピリピリするけど。『しゃーない。もう返ってこないんやから。切り替えていこう』っていうのが感じられたもんね」
現役時代は岡田監督と二遊間を組み1985年に日本一を達成。第1次岡田政権の04年~06年はヘッドコーチを務めた。長きにわたってそばで見てきたからこそ、より変化を感じていた。
「2004年に引き継いだ際は、星野監督が優勝したあとだったからね。優勝したチームを引き継ぐプレッシャーみたいなのは想像以上に監督、あったと思うよ。それがオリックスを経験されて、久しぶりにタイガースのユニホームをね。今年のキャンプの第一声で、歴史の重みを言われていたから。タイガースのユニホームを着て、喜びというのがあったと思うよね」
巨人に逆転Vを許し、引責辞任した08年以来、15年ぶりとなるタテジマ復帰となった。前回とは異なり、自身がVに導いた05年を最後に優勝がなく、再び頂点に導くことが期待されての就任。だが、第1次政権とは異なり、金本や矢野、赤星、今岡ら実績のある選手は少なく、20代後半の若手選手がチームの中心だった。
経験の少ない、若手中心のチーム。岡田監督は選手を信頼していたという。平田ヘッドは「(岡田監督と)ベンチで話しをしていて『ピッチャー、抑えよるわ』とかさ。信頼していたよ選手を。中継ぎ陣とか代打陣も含めて。それでやられたり、打てなかったら『仕方ないやん』っていうのは感じられた」と話す。
指揮官の思いはしっかり選手にも伝わっていた。試合の勝負どころで起用された救援陣の防御率はリーグトップの2・39。「(岡田監督の)采配の妙というか、勝負勘。そこで、投手が抑えたり、代打が打つからさ。そこの信頼感を選手が意気に感じたりとか。見えないところでいろいろやっぱりつながりがあったと思う」と平田ヘッド。さまざまな経験をし、野球を知り尽くしている岡田監督の姿がチームをまとめ上げ、成長させた。猛虎の黄金期突入へ。目指すは球団史上初の連覇だ。(デイリースポーツ・井上慎也)