【野球】オリックス・西川龍馬“悪球打ち”卒業の理由 転機は2022年シーズン「意図的に我慢している」

 取材現場の舞台裏を描く新企画「スポットライトの裏側」。今回は、広島からオリックスにFA加入した西川龍馬内野手(29)について。2年前から自身の持ち味の一つだった“悪球打ち”を我慢し、昨季は打率・305をマークした。リーグ4連覇の使者と期待される男が意識改革を明かした。

  ◇  ◇

 オリックス・中嶋監督の脳裏に焼き付けた“悪球打ち”はもう見納めだ。今月3日の本紙インタビューに登場した西川はFA移籍の重圧を受け止めた上で「(最多安打のタイトルは)全試合に出たら取れる。今年はとにかくケガなくですね」と新年の抱負を語った。

 頼もしい言葉には明確な根拠がある。これまで唯一無二のバットコントロールでワンバウンドの球でもヒットにしてきた。一方、ボール球に手を出せば凡打になる確率が高くなるという自覚もあった。自分と向き合い、導き出した答えが“ワンバン打ち”の封印だ。2022年シーズンから「意図的に我慢している」と力を込める。

 「数字を残すためには確率を上げるためにはある程度の我慢は必要かなと。それまでバットに当ててヒットゾーンに飛ばせばいいやって感じだったんで」

 ボール球を見逃し、甘い球を仕留める。その我慢は結果に表れている。22年は97試合出場ながら打率・315をマーク。23年は打率・305を残し、規定打席に到達して初の打率3割をクリアした。

 「めちゃめちゃがっついてない。だいぶ減らしてはいるんで」

 それに加えて主に4、5番は打った昨季は打席でのアプローチも工夫していたという。

 「例えば小園の後ろやったら、小園は早打ちやから僕はある程度我慢して、何とかカウントを作っていって。前のバッターが野間さんやったらカウントはしっかり作るんで、僕は別に初球からいってもいいし」。広島時代はクリーンアップだけでなく、1番から9番まで経験した。打順以上に前後の打者との兼ね合いを意識してきたからこそ、「何番打つとかは別に。どこでもいい」と言い切れる。

 このオフは都内で開催された「ドライブライン・ベースボール」に参加し、さらなるレベルアップを図った。「今一番、変化球打つのうまいと思うよ、12球団でな」。昨季、阪神・岡田監督にそう言わしめたように打撃技術は球界屈指だ。リーグ4連覇の使者となるべく、地元・大阪で躍動する姿が待ち遠しい。

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