【野球】ロッテが浦和2軍施設移転検討の理由 「常勝軍団」目指し千葉、茨城南部候補 28年からの稼働目指す

 取材現場の裏側を描く新企画「スポットライトの裏側」。今回は昨年12月にロッテ・高坂俊介球団社長(41)が明かした、埼玉・浦和にある2軍施設移転の検討について。1989年から使用されているロッテ浦和球場やその他の練習施設が手狭になり、チームの育成機能強化のための革新。チームビジョンとして掲げる「常勝軍団」になるための1歩を踏み出す。

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 高坂球団社長が、埼玉・浦和にある2軍施設の移転を検討していることを明かしたのは、昨年12月のことだった。理由となるのは、チームの育成機能強化のためだ。

 現在の2軍施設は1989年から使用されており、球団で使用している土地が約3万平方メートル。グラウンド1面(ロッテ浦和球場)と、その横に砂地の練習スペース、ブルペン。そして、屋内練習場とトレーニング施設を併設するクラブハウスだ。

 球場の客席は小さく収容人数は300人と、他球団の2軍球場と比べても小規模。その他の施設も狭く、選手寮は球場施設から徒歩約7分かかる。同球団社長は「ファームというのは選手を育成するのが基本機能。特に編成、戦略チームからは中長期的に強い組織、勝てるチームにしようとした時に、ファーム機能が、強化が必要だろうと協議した。全てを拡張する必要がある」と移転の検討を始めた。

 移転先には、球団から提示される条件を満たしている地域が選出される。今年1月~2月に公募を始める予定で、2025年の夏には決定する計画だ。昨年には、既に複数の自治体と意見交換をしたという。

 移転先の条件は3つある。1つ目は、必要施設を1カ所にまとめることができ、ZOZOマリンスタジアムとの車での移動時間が1時間以内であること。現在は、浦和の2軍施設から本拠地まで、高速道路を使って約1時間半。渋滞に巻き込まれると2時間を超えることもあるといい、行き来には不便だ。

 また、同球団社長が「勝てるチームにするためには、マネジメントと編成、戦略が三位一体で機能しなければ実現できない」と話すように、組織強化のためには1軍と2軍の風通しをよくすることは重要だ。近接していれば、選手の入れ替えもスムーズに行える。候補地には千葉県、茨城県南部が挙げられる。

 2つ目は地域との連携を図れることだ。シーズン中、ZOZOマリンスタジアムでは千葉県の各自治体とのイベントが開催されており、経済効果も見込める。2軍施設の移転先でも、自治体や企業との連携を求める。

 3つ目は、永続的な運営スキームがあること。20年、30年と長期を見据えた運営ができることを求める。

 早ければ2028年ごろからの稼働を目指す。昨季は惜しくも2位に終わったが、まだまだ成長段階。チームビジョンとして掲げる「常勝軍団」へ、革新への動きを見せた。(デイリースポーツ・南香穂)

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