【サッカー】アジア王者を狙うサッカー日本代表に思う 5度目のFIFAランキング算定方法改訂が必要な時期がきたのではないか

 5度目のFIFA(国際サッカー連盟)ランキング算定方法改訂が必要な時期がきたのではないだろうか。

 アジア王座をかけたサッカーの国際大会「AFCアジアカップ 2023」(アジア杯)がカタールで始まった。10大会連続10回目の出場で、通算5回目の優勝を狙う日本代表は初戦の相手・ベトナ代表を4-2で下し、19日のイラク代表戦に臨む。昨年12月21日に発表されたFIFAランクでアジア最上位の17位を堅持した森保ジャパンは今回のイラク代表戦で勝利を飾ると、暫定値ながら同ランク16位のドイツ代表を上回るという。日本代表は「FIFAワールドカップカタール大会」のグループリーグから対ドイツ代表に連勝中ということを考えれば驚くにあたらない。

 サッカーは野球やバスケットなど他の球技とは異なり、大差のつく点取りゲームとは違う。0-0のスコアレスドロー、1-0の辛勝も多く、それがジャイアントキリング(大番狂わせ)を産む大きな要因となっている。だが、ジャイアントキリングを演じても、すぐにランキングが大幅上昇することはないため、試合結果とランキングが比例しない。そのことに疑問を抱く人も多いに違いない。

 FIFAランキングは1993年から発表が始まり、FIFAに加盟する各国・地域のA代表の公式国際試合(国際Aマッチ)の成績をもとにポイント化して集計し、それが毎月発表される。現行の算定方式は「FIFAワールドカップ ロシア大会 2018」後の2018年8月16日から採用されたもので、通算4回目の改訂だった。

 1993年の最初の算出方法は対戦国のレベルに関係なく勝てば3ポイント、引き分けなら1ポイントとなり、その累積でランキングが決まっていた。そのため国際Aマッチを数こなすことが重要だった。私が取材した「FIFAワールドカップ フランス大会 1998」の最終予選を戦っていた日本代表もその“恩恵”を受け、9位にランクインしたこともあったほどだ。その後、改訂が重ねられ現行では試合の重要度や試合結果、試合の期待結果が大きくランキングの上下を左右する算定方法となっている。ワールドカップ本大会などは、FIFAランキングを基にグループリーグのシード国が決定するため、重要度は増すばかりだ。

 最新のランキングでは1位はアルゼンチン代表、2位がフランス代表、3位・イングランド代表など世界のサッカー界をリードしてきた南米勢、欧州勢が上位を占めている。だが、日本代表を含めアジア&アフリカ勢も実力をつけており、格差は確実に縮まっている。それだけに万人に分かりやすいFIFAラン改訂が必要な時期がきているのではないか。(デイリースポーツ・今野良彦)

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