【野球】歴史的低迷招いた巨人ストッパー問題の現在地 本命大勢も チーム再建の命運を握る懸案事項
4年ぶりの覇権奪回を目指す巨人。その懸案事項に注目した。2024年のチーム再建の鍵を握りそうなのが“ストッパー問題”だ。大勢が本命ではあるが、その現在地とは-。
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今季のチームの命運を握る“問題”と言っていいだろう。ストッパーを誰に託すのか-。阿部新監督は昨年12月にこう語った。「大勢が頑張ってくれれば、それに越したことはないから」。今年3年目を迎える右腕への大きな期待を口にした。
昨季の大勢の成績は巨人にとっては大誤算だった。右上肢のコンディション不良で長期離脱をしてしまい、わずか27試合の登板で14セーブ。その結果…、リリーフ陣は火の車となった。ブルペンの大黒柱を欠いたため12球団ワーストの救援防御率3・81の要因に直結。2年連続Bクラスという歴史的な低迷を招いた。
チーム再建を目指す今季。杉内投手チーフコーチは「(大勢を)抑えでやっていきたい。1年間完走できるようにね。普通に投げれば抑えられると思う」との構想を明かす。投手陣の起用は「九回から決めたいんですよね。(重要なのは)九、八、七ですね」と説明。先発陣は戸郷、山崎伊、菅野、グリフィン、メンデス、新加入の高橋礼ら頭数がそろっており、まず守護神を確定した上で逆算して勝利の方程式を決めていく。逆に言えば九イニング目の投手が決まらなければ、リリーフ陣は今季も安定感を欠いてしまう。
重要なピースである大勢。果たして完全復活はできるのか-。今月の自主トレではブルペンでの投球練習を行っている。春季キャンプは1軍スタート。杉内投手チーフコーチは「状態は悪くない」とし、キャンプでの仕上がりを確認して「逆算しながらやっていこうと思ってます」と開幕までの調整プランも決めていく。
万が一、代わりの守護神が必要になった場合はどうなるのか。現状では前阪神のケラー、ドラフト1位・西舘(中大)が代役を務める可能性が高い。ケラーは虎での2年間で4セーブと経験もあり、昨季は27試合の登板で防御率1・71と安定感があった。潜在能力が高い西舘は、プロ1年目の大勢のようにいきなりストッパーに大抜てきされても不思議ではない。
体調が万全であれば当然、大勢が本命となることは間違いない。巨人の“守護神問題”は、今後大きな脚光を浴びるかもしれない。(デイリースポーツ・プロ野球遊軍・伊藤玄門)