【野球】ロッテと契約完了もMLBは佐々木朗希に大注目 25歳未満で獲得できれば年俸抑制のメリット 10年契約の長期プランを用意する球団も

 昨年12月に提出された契約保留者名簿の中で唯一、未更改だったロッテ・佐々木朗希投手(22)が27日、現状維持の8000万円で更改した(金額は推定)。プロ3年目の2022年にNPB史上最年少で完全試合を達成した右腕は12球団大トリでの契約完了となったが、MLB関係者は早くも佐々木の早期メジャー挑戦に歓迎ムードを漂わせている。

 MLBには25歳ルールというものがあり、海外から移籍してくる25歳未満またはプロ6年目以内の選手はメジャー契約を結ぶことができず、マイナー契約しか許されていない。

 2017年オフにポスティングシステムを利用してエンゼルスと契約した当時23歳の日本ハムの大谷翔平投手(現ドジャース)も同様で、契約金、年俸ともに金額が抑えられた契約だったが、日本ハム入団前からメジャー志望を表明していた本人の強い希望をくんで、球団がメジャー挑戦を認めた経緯がある。

 逆に、25歳未満の選手と契約を結ぶ球団からすれば、本当ならば当該選手の力量、資質などに見合った対価を支払わなければならないのだが、年齢を理由に安価なマネーで有望選手を獲得できるメリットがある。

 今オフにポスティングシステムを利用してドジャースと契約した山本由伸が所属したオリックスには約72億円の譲渡金が入る見通しで、大谷の場合も旧協定上限の2000万ドル(約23億円)が日本ハムに支払われた。だが、協定の改定により、佐々木が25歳未満で移籍した場合、ロッテに支払われる譲渡金は1億円に満たない可能性があり、メジャー球団はこの点においても大歓迎というわけだ。

 MLB関係者は「もし佐々木が今シーズンオフにアメリカに来るのであれば、10年の長期契約を提示するチームもあると聞いている。あれだけの才能を持ち、将来も有望な選手をマイナー契約で獲得できるのであれば、どの球団だってほしいはず。今年、日本へ視察に訪れるメジャー関係者の数は去年の比じゃないと思うよ」と話した。

 また、現時点での佐々木の適正年俸は「だいたい20億円ぐらいじゃないか」と踏んでおり、ドジャースと12年総額461億円で契約した山本由伸には劣るものの、4年総額77億円でカブスと契約した元DeNA・今永の平均年俸を上回る評価をしているようだ。

 同じくメジャー志望を表明しているヤクルト・村上は、25歳を迎える2025年シーズンまでの3年契約を結んでおり、球団側も25年オフのメジャー挑戦を認めている。

 佐々木が25歳になるのは、3年後の2026年シーズン。ロッテと今季の契約で合意した佐々木が来季、大リーグでプレーするには、今シーズン終了後に球団がポスティングシステムの利用を認めるか、自由契約になるしかない。

 ただ、右腕は過去4年で一度も規定投球回に到達していないこともあり、昨年12月に今オフ中のポスティングでのメジャー移籍を望んでいるという報道が流れた際には、吉井監督が「ポスティングを要求するのが自分だったら、『球団に対してもうちょっと恩返ししてからじゃないとダメかな』と思ったりもする」との持論を述べている。

 佐々木は「メジャーリーグに関しては、入団当初からコミュニケーションをとって話してきました。将来的にメジャーリーグでプレーしたいという思いはあるけど、まずは目の前のシーズンをプレーすることが大切だと思う」と夢を追いたい気持ちは隠さなかったが、メジャー挑戦の時期については具体的な発言を避けた。

 最速165キロを誇るロッテの宝であり、日本の宝。誰もがメジャーの舞台で輝く姿を見てみたいと思っているはず。ただ、現時点でのメジャー挑戦に疑問符を浮かべる人は決して少なくない。今オフにポスティングでメジャー移籍した山本由伸、今永昇太、上沢直之のようにまずは日本で結果を残し、ファンからも球団からも快く送り出される選手になることが重要だろうが、海の向こう側は早くもヒートアップしている。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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