【野球】なぜロッテは1、2軍のユニホームを別のデザインにしたのか 吉井監督の主張に評論家「メリットはあってもデメリットはない」

 スローガンを披露する吉井監督(1月31日)
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 ロッテが2軍が今季から着用する新ユニホームを31日に発表した。白地基調で、胸の部分にマリーンズのMマークが施されているが、1軍と違って、ピンストライプの縦ラインがないのが特徴だ。

 吉井監督は新ユニホームを製作した理由について「1軍のピンストライプのユニホームは、1軍に来ないと着られない。ピンストライプのユニホームにもう少し重みを持って、マリーンズのプライドを守って頑張ってほしいという思いでユニホームを考えてもらいました」と説明した。

 MLBでは、傘下のマイナー球団はメジャーチームとは全く違うユニホームを着用しているが、日本のプロ野球では1軍選手も2、3、4軍選手も同じユニホームを着てプレーしている。どんな境遇下でも1軍と同じユニホームを着られることでありがたみと反骨心が薄れることがあってはならない。現役時代にメッツなどで活躍した吉井監督ならではの発想ではないだろうか。

 ソフトバンクの和田毅投手も、似たような私見を披露している。昨年の契約更改交渉後、「育成選手でも(背番号が)3桁とはいえ、メジャーのユニホームを着て、プレーできている。ソフトバンクホークスというチーム名を背負ってプレーができるのは本当に贅沢なこと。それをしっかりと認識して日々を過ごしているのか、疑問に思うことがたくさんある。(1軍とそれ以外で)ユニホームを変えてもいいと思っている。せめて2軍の試合に出たくらいから着られるとか、神格化したユニホームにしてもいいんじゃないかと思う」と指摘した。

 これに呼応する形で、ソフトバンクからメッツに移籍した千賀滉大投手が、自身のX(旧ツイッター)で「僕と和田さんは数年前からフロントに言ってました。僕は2軍の支配下選手でもそうしてと言ってましたが」とつづり、多くの育成選手を抱える球団において、全選手が同じユニホームを着られる環境を変えるべきとの持論を述べている。

 阪神OBの中田良弘氏は「まさにその通りだね。吉井監督の言う通り。昔の阪神でもよくあったことだけど、1軍実績のない2軍選手でもタテジマが着られてしまうことで、俺もスターのひとりだと勘違いする選手がたくさんいた。明らかに身の丈に合っていない立ち居振る舞いをする選手がいたことは否定できない」とし、「1軍に上がらないと1軍のユニホームが着られないということになれば、はい上がってやろうという闘争心をさらにかき立てるだろうし、今の自分を見つめ直すことにもつながる。悔しかったら1軍に上がって来いよと、選手の尻を叩くことにつながる。メリットはあっても、デメリットはないように思う」と歓迎した。

 野球に限らず、プロになるには狭き門をくぐり抜けなければならない。ただ、プロの世界に飛び込むことは目標のひとつではあっても、ゴールではない。高い技術を持った者同士が高い次元で競い合う中で、一握りの人間が一流と称される。プロは一流になってナンボ。吉井監督のユニホーム改革が、チーム力を押し上げる新たな波を呼び起こしそうな予感がする。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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