【野球】阪神・ミエセス キャンプでにじむ謙虚さ、真面目さ 侍J・井端監督にお辞儀&子どもにアイブラック 覚醒の原動力になるか

 侍ジャパン井端監督に、ペコリと頭を下げてあいさつするミエセス=2月2日
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 阪神のキャンプ中継を見ていて、思わず心がほっこりするシーンがあった。2日に侍ジャパンの井端監督が宜野座を訪れた際、アップを終えた選手たちが続々と侍指揮官のもとへあいさつに出向いた。その中にドミニカ共和国出身のヨハン・ミエセス選手がいた。

 井端監督を発見すると帽子を取って、深々とお辞儀した助っ人。この様子に岡田監督&井端監督が満面の笑みを浮かべた。国籍が違い、カージナルス・ヌートバーのように日系選手ではないため、侍ジャパン入りの可能性はない。それでも礼儀正しく挨拶する姿は、過去に在籍した助っ人にはなかったものだ。

 ファンもネット上で「こういうところが応援したくなる選手」「何事にも礼儀正しくて全力」「どうしても期待したくなっちゃう」「ええ子やー」といった声を上げた。4日に行われた野球教室では自ら用意したアイブラックを子どもたちの顔に貼ってあげるシーンもあった。質問コーナーではマイクを手に「そんなの関係ねぇ」と絶叫し子どもたちは大爆笑。「少しでも喜んでもらいたかった」と明かしていた。

 「ミエちゃん、化けるかもわからへん」-。岡田監督は昨オフ、こんな発言をしていた。真面目に練習に取組み、異国の地で懸命に順応しようとする姿勢。それは第一次政権時で花開いた助っ人と共通する部分がある。

 2008年のキャンプにテスト生として参加したバルディリス。休日返上トレを行うなど、何とかチャンスをモノにしようというハングリーさがあった。最終的に育成枠で阪神入りを果たし、支配下登録を勝ち取った。

 2010年オフに岡田監督がオリックス監督に就任すると、戦力外となっていたバルディリスは「岡田監督のもとでプレーしたい」と再び師弟関係を結んだ。レギュラーを奪い、13年にはDeNAと2年契約を結び推定年俸も1億円を超えた。真面目さ、謙虚さ、ハングリー精神などミエセスと共通する部分があった。

 もう1人、育成選手で入団したオヘイダは日本の生活になじめなかったという。1月にドミニカで行われた入団テストについて指揮官が言及した際、「バルはよかったよ、でもな。バルの時にはもう1人きたんや、ピッチャーな。もう1人は全然あかんかったな。もう1人は日本のあれに馴染めんかったやろ、いろんな面でな」と明かしていた。

 日本で活躍するために必要なことは、日本の環境に適応すること-。これが岡田監督が考える外国人選手が活躍する条件なのかもしれない。昨季の成績を考えればミエセスはリリースとなっていてもおかしくはなかった。それでも残留を勝ち取り、引き締まった姿で来日した。キャンプでの動きを見ていると、指揮官が覚醒に期待したくなる気持ちが分かる。

 守備も昨年のキャンプ初日と比較すれば、明らかに成長したミエセス。第3クール以降に始まる実戦で結果を残せば、一気にレギュラーへ定着する可能性もある。ミエちゃんの愛称で親しまれ、ファンから絶大な人気を誇る助っ人。日本で見せる謙虚さ、真面目さが飛躍の原動力になるかもしれない。(デイリースポーツ・重松健三)

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