【野球】昨年左膝手術のオリックス・内藤 復活へ目指すは西武・中村&中日・中田 「同じ手術を経て活躍」「僕の理想型」

 目指すはオリのおかわり君!!高卒2年目のオリックス・内藤鵬内野手(19)が、昨年受けた「左膝鏡視下外側半月板縫合術」からの復活を目指し、春季キャンプA班で奮闘している。故障時や打撃の苦悩を明かしつつ、同じ手術を受けた西武・中村、中日・中田のような活躍を思い描いた。

 180センチ、100キロと恵まれた肉体を持つ内藤は今、野球ができる幸せをかみしめている。「野球をしている時が一番、楽しいなって思います」。高卒1年目の昨季の苦い経験がその思いを強くしていた。

 昨年の同時期も春季キャンプA班で、練習試合では中軸を託されるなど期待の逸材だったが、同5月に「左膝鏡視下外側半月板縫合術」を受けた。内藤本人は早期復帰ができる別の手術を希望したが、完治させるために球団が「左膝鏡視-」を進めた。

 手術後は野球ができない車椅子生活の日々。「本当にまた野球ができるようになるのかな…」。不安でいっぱいだった。ただ、球団からは西武・中村や中日・中田が同じ手術を経験し、大打者になっていった過程を紹介され、「焦らなくてもいい」と声をかけられた。

 「早く野球をやりたい、という自分は気持ちがまだ、子どもやったんですよね。中村さん、中田さんの成功例も聞いて、心に余裕ができたというか、(復帰まで)長い方を選択できた」

 実戦復帰できたのは、昨年10月19日に行われたみやざきフェニックスリーグ・巨人戦。「3番・指名打者」で出場し、2打数無安打だったが、復活への一歩を踏み出した。だが、本当の苦悩はここからだったという。

 思い切りのいいスイングができず、打撃フォームを見失った。「どう振ったらいいか分からなくなってしまって、半年も空いたら全部がゼロからになってしまうんだな、と」。打席を重ねても戻らない感覚。そんな時に手を差し伸べてくれたのは、高橋信二打撃コーチだ。

 故障前と故障後のスイングを比べ、自然と下半身をかばうせいか足のタメが浅くなっていた。高橋打撃コーチは「体のひねりがうまく使えていなかったんですよ。上半身と下半身の捻転差というか。膝に負担がこないようにもうまくアプローチできるようにはなってきたと思う」と以前のようなスイングに戻りつつあると明かした。

 内藤も「上半身だけで合わせにいっていたんですけど、高橋コーチからの教えでだんだんとイメージできるようになりました」と日に日に不安は解消されつつある。今年も春季キャンプではA班で汗を流し、打撃練習では快音を響かせている。

 理想の打者は西武・中村。「僕の理想型そのものなんです」と目を輝かせる。内藤も中村のようにガッシリとした体格で、将来は長距離砲として期待される立場にある。「同じ手術を経て活躍されている。シーズンで打ちたいです」。オリのおかわり君になる日を夢見て、黙々とバットを振り込んでいく。(デイリースポーツ・関谷文哉)

 ◆内藤 鵬(ないとう・ほう)2004年10月5日生まれ、19歳。愛知県出身。180センチ、100キロ。右投げ右打ち。内野手。日本航空石川から22年度ドラフト2位でオリックス入団。高校通算53本塁打。23年5月に「左膝鏡視下外側半月板縫合術」を受ける。1軍出場なし。昨季ウエスタンでは28試合で打率・198、2本塁打、15打点。

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