【ファイト】プロレス記者の最長老・門馬忠雄さんが盟友のカブキさんと24日にトークイベント開催、自ら企画は「最初で最後」

 プロレス記者の最長老、門馬忠雄さん(85)が、昨年末のプロレス大賞選考会をもって実に62年間、プロレスに限っても60年間にわたった現場取材から退いた。24日に東京・巣鴨の闘道館で開催される、ザ・グレート・カブキこと高千穂明久さん(75)とのトークイベント「日本プロレス盛衰史」を企画した門馬さんに、「長い付き合い」であるカブキさんとの関係や、トークの聴きどころを聞いた。

  ◇  ◇

 門馬さんは東スポを振り出しに、退社後はNumber(文芸春秋)や東京中日スポーツ、新日本プロレスのプログラム「闘魂スペシャル」などで健筆を振るってきた。「雲上の巨人 ジャイアント馬場」(文芸春秋)など著書も多く、独特の文体にはファンが多い。馬場やアントニオ猪木らトップ選手から若手記者まで分け隔てなく接する温厚な人柄は、マット界の人間やファンならよく知るところだ。

 テレビ東京「世界のプロレス」などで聞かせた福島なまりの門馬節でもおなじみで、これまでトークイベントには何度も出演してきたが、自ら企画したのは今回が「最初で最後」だといい、副題を「東京スポーツ『東スポ賞』秘話」と付けた。

 当時、日本プロレスの巡業では東スポの記者とリングアナウンサーが相談して、前座でいい試合をした選手に賞金5000円を出していた。それを多く獲得していた「その時の中心選手」が、若き日のカブキさん、つまり高千穂選手だった。門馬さんは「一番いい選手は高千穂だった。体が柔らかく、第2の吉村道明だと期待していた」と振り返る。

 門馬さんとカブキさんはトシこそ違えど、プロレスの同期だ。東京スポーツで1964年開催の東京オリンピックとボクシングの担当記者だった門馬さんは、五輪終了後に「青天のへきれき」でプロレス担当を命じられた。「血が流れるのが日常」のプロレスには抵抗を感じていたが、先輩ボクシング記者たちの「日本を全部回れるんだぞ」という言葉に背中を押されて、日本プロレスの秋のシリーズから取材を開始。カブキさんはその年の10月31日に宮城・石巻大会でデビューした。

 現場62年を貫いた門馬さんが「フットワークがきかなくなった」と体力面を理由に現場取材から退いた昨年、カブキさんも長年東京・飯田橋で経営した居酒屋を閉店。現場からの引退まで同期というわけで、「何もかもお互いに分かりきった」関係のカブキさんを、トークイベントのタッグパートナーに指名したのは当然と言えよう。

 当日は「日本プロレスの裏面史もアメリカのプロレスの事情もみんな知っていて、私にとってはテキストブックみたいな人。公私ともにお世話になった」というカブキさんに、さまざまな「疑問点をぶつけたい」という門馬さん。自身も「今まで書けなかった部分、原稿にできなかった部分、プロレスや東スポの裏話」を話すという。門馬節を堪能できる、オールドファン感涙のイベントになりそうだ。(デイリースポーツ・藤澤浩之)

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