【野球】阪神戦力外から中日・山本が2つ目の新天地で挑むキャンプ「良い経験も悪い経験も生かしていけたら」
「ヤスー!!」「山本ー!!」。沖縄・北谷のグラウンドに首脳陣からのゲキが飛ぶ。昨年に阪神を戦力外となり、中日に新加入した山本泰寛内野手(30)が新天地のキャンプで奮闘中だ。
「タイガース同様、若い選手が多いので生き生きしています。体力面で負けないように必死に体力強化をやっています」
今年31歳となるプロ9年目。今キャンプで初めて顔を合わせた選手がほとんどという中、話し相手はフレッシュな若竜たちだ。「まだまだ一人一人の性格は分からないですけど、みんな話してくれますし、やりやすい環境でできているかなと思います。内野手は絡む機会が多いので、村松くんだったり、新人の子たちは結構話します」と明かした。
慶応高、慶応大を経て2016年にドラフト5位で巨人へ入団。20年オフに金銭トレードで阪神へ移籍した。内野のユーティリティーとして重宝され、22年には86試合に出場してキャリアハイの45安打を記録。だが、昨季は1軍登録がないまま戦力外通告を受けた。
新たな環境で挑むキャンプのテーマは「1年間戦える体力。下半身強化を中心に取り組んでいきたい」と設定。打ち込む量を増やし、若手とともに特守へ入るなど、再起を期して汗を流している。実戦も増えていく中で「新加入なのでアピールする立場。結果もそうですし、しっかり内容にこだわってやっていきたいなと思います」と力を込めた。
キャンプイン後には、阪神時代にかわいがっていた後輩・遠藤から「ご飯行きましょう」と連絡があったという。オフが合わず実現はしていないものの「あいつ(遠藤)が今シーズン、1軍で戦ってくれれば、またご飯とか行けると思う」と互いの健闘を願った。
若い力に負けるつもりはない。狙うは、自身初の開幕スタメンと、1軍出場100試合以上。「9年間やってきたことっていうのを見せられれば良いかなと。他の若い選手よりは、良い経験も悪い経験もあるので、その経験を生かしてやっていけたら」。セ・リーグ3球団を渡り歩いた男が、2つ目の新天地ではい上がっていく。(デイリースポーツ・間宮涼)