【ゴルフ】ジャンボ尾崎自ら育てる期待の逸材は早大2年生 中野麟太朗、低迷男子ゴルフ界を救えるか
今季のプロゴルフ国内ツアーは、女子が今月29日からのダイキン・オーキッド・レディース、男子は3月28日からの東建ホームメイト・カップで開幕する。隆盛の女子ツアーに対して、昨今の男子ツアーは全盛期と比べて試合数が激減。“復権”へ向けてツアー通算94勝のレジェンド・尾崎将司(77)が自らの手で育てる期待の若手とは。
数字が国内男子ツアーの厳しい現状を物語っている。今季の試合数は昨季よりも3試合減で過去最少の23試合に。最多は82年の46試合で、ピークから半減。青木功、尾崎将司、中嶋常幸の「AON」全盛を知るオールドファンからすれば寂しい話で、ジャンボ自身も「頑張ってもらいたいなんて言ったって、どうにもならないんだもん」と嘆き節を口にする。
近年では有望な若手が国内ツアーを離れ、積極的に海外ツアーに挑戦する流れもできつつある。比嘉一貴、中島啓太と直近2年の賞金王がいずれも欧州ツアーに参戦した。2月のカタール・マスターズを制した星野陸也、金谷拓実も同ツアーで奮闘中。松山英樹、久常涼は世界最高峰の米ツアーで戦っている。
そんな状況の中、新たなスター候補の誕生が待たれる国内ツアー。ジャンボは「我々の時代は研修会があったけど、今はやっぱり大学の中で競い合うのが強いんだろな」と話す。ジャンボの時代は中学、高校を卒業するとゴルフ場の研修生となってプロを目指すケースも多かったが、近年は学生時代から激しい競争を繰り広げ、卒業とともにプロの舞台で活躍する選手が増えてきた。
ジャンボの愛弟子にもそのような道をたどるであろう期待の逸材がいる。ジャンボアカデミー4期生で、早大2年の中野麟太朗だ。昨年7月の日本アマを制し、9月のフジサンケイ・クラシックでは初日2位と早くも頭角を現しつつある。
ただ、ポツリと「あと2年待たなきゃいけないのかな」とも言った。中野が大学を卒業し、ツアーにフル参戦するには早くても2年はかかる。大学に籍を置きながら学生プロとなる道もあるが、中野自身はスポーツビジネスを専攻しており、学業もおろそかにしたくない気持ちが強いという。
「できるだけ良い環境で子どもたちに練習してもらいたい。俺、頑張ってる姿見るのが好きなんだ」とジャンボ。ツアーの第一線から離れ、後進育成が今の生きがいになっている。現在、活躍する門下生は原英莉花や西郷真央ら女子中心だが、男子ツアーの人気復活へ看板選手となる若手を自らの手で育てたいという思いが、その言葉から伝わってきた。(デイリースポーツ・中谷大志)