【野球】虎弟とのタッグで恩恵期待、成長続ける阪神キャンプ地・具志川 関係者が明かす将来図

 阪神の2軍キャンプ地として2年目を迎えた沖縄県うるま市の具志川野球場にも、宜野座に負けじと大勢の虎党が連日集まって、盛り上がりを見せている。虎弟を迎え入れるために、同球場は数年計画での改修計画を進めており、今春は屋根付きのブルペンが完成。来年以降の改善ポイントやキャンプ地としての将来図を、地元関係者が明かした。

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 昨春は野っ原にテントをつけただけだった仮設ブルペンが、1年たって様変わりした。立派な三角屋根の建物が完成し、1レーン増の5レーンとなって、観客も見やすい構造。精力的に投げ込みをこなす若虎に、ファンが熱視線を向けている。

 「もちろん優勝効果もありますし、序盤は1軍選手が何人かいたこともあって、来場者は去年より確実に増えてますね。駐車場もほとんど満車で。新しく作ったブルペンでも大勢の方がご覧になってます」。うるま市立体育施設の指定管理者・前岡優助氏が“2年目の具志川”を報告する。

 22年7月、2軍キャンプ地に決定し、数年規模での球場改修計画がスタートした。昨年の初キャンプに向けては、まず外野の芝生を3メートル後退させる工事を行い、内野の土の面積を広げて、甲子園と同じサイズに変更。昨年2月の1カ月間、当初は2~3000人の来場者を見込んでいたが、予想を大幅に上回る6000人が足を運んだ。

 今年も昨年を上回る勢いで虎党が来場し、第4クールまでに昨年総数の倍となる1万2000人が集まった。球場の外壁や客席にはトラッキーなどのイラストを施し、付近のガードレールを黄色と黒のタイガースカラーに模様替え。うるま市も応援ムード作りに尽力し「阪神キャンプ地」というイメージ定着を狙う。

 「うるまで阪神が見られるという認識が市民に広がると、選手はもっと歓迎してもらえると思います。ファンの方には球場の近くのお店で飲食などしてもらうことで、経済効果にもつながりますし」。前岡氏は虎弟とのタッグがもたらす恩恵に期待を寄せる。昨年11月、ファン感謝祭が開催された甲子園ではうるま市のブースを出展。関西の虎党に向けても知名度アップへの発信を行った。

 球団側も近隣の学校からキャンプ見学の要請があれば快諾し、訪れた学生にTシャツをプレゼント。選手との写真撮影タイムも設けた。地元からの“エール”に全力で応えて、サポートへの感謝を示す。

 来春に向けて球場の改良ポイント候補もすでに挙がっている。倉庫やランニング走路の設置に、サブグラウンドの内野を2面に増設、などの計画が持ち上がっているという。2年間、具志川では社会人チーム相手の練習試合しか実施されなかったが、将来的にはバックネットを高めに張り替えることで、プロ同士の練習試合やオープン戦開催も視野に入れる。

 和田2軍監督は「具志川、うるま市の関係者の方々から、何とかいい環境で練習してもらおうという気持ちが出ている」と感謝。「選手だけじゃなく球場も進化している。ファンの方にはぜひ足を運んでほしい」。若虎と歩調を合わせるように、キャンプ地・具志川も成長を続けていく。(デイリースポーツ阪神担当・丸尾匠)

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