【野球】WBC世界一メンバーの現在地 オリックス・宇田川優希 右肩痛でキャンプ別メニュー調整も「開幕から1軍を目指す」
WBC世界一メンバーの現在地は-。オリックス・宇田川優希投手(25)は、右肩痛の影響で今春キャンプは別メニューで調整を続けてきた。捕手を立たせたままの投球練習を再開したばかりだが「怖さはなく、全力で振れている」と笑みを浮かべる。開幕1軍の可能性を諦めず、一歩一歩ステップを踏んでいる。
◇ ◇
宇田川は昨年3月、WBC日本代表「侍ジャパン」の一員として世界一に貢献した。あれから約1年が経過し「本当、あっという間ですよね」。現在はコンディション不良からの完全復活を目指しており、開幕1軍の可能性も諦めてはいない。
昨年、阪神との日本シリーズで3連投した後に右肩痛を発症。その影響からキャンプ序盤はノースローで調整を進めてきた。他の投手がキャッチボールする光景を横目に眺めながら、懸命にリハビリを続けてきた。
体のリカバリーをするために、キャンプ期間はあることを取り入れた。はり治療などに加え、B班の宿舎の自室に炭酸風呂を設置してもらい「血流も良くなって、めちゃめちゃスッキリするんです」。自宅への設置も検討中だという。
フォームを見つめ直す期間にもなった。昨年から課題だったのが、力任せに投げてしまうこと。ウエートトレーニングを中心に出力を上げようとし、かえって疲労にもつながっていた。
そこでオフから意識しているのは、体を大きく使うフォームの形成。キャンプ前はひものついたメディシンボールを投げる調整に取り組み、キャンプ期間も並行して肩の小さな筋肉を鍛えるトレーニングを重ねてきた。
捕手を立たせたままの投球練習をする前は少し恐怖心も抱いていた。2月24日に初めてブルペン入りし、感触を確かめた。日本シリーズ以来の投球練習。「だんだん投げていくうちに怖さもなくなってきたので、全力で腕を振れている」と自信を取り戻しつつある。
一番の理想は開幕1軍に入ることだ。「監督が判断する部分とは思いますが、自分は開幕から1軍にいたいので、そこを目指しています」。開幕1軍入りを逃したとしても、4月中には万全の状態で1軍の戦力になりたいと考えている。
キャンプの最終盤に臨時コーチを務めた球団OBの能見氏からは「来年頑張れ」と“イジられ”たが「今年頑張ります」と力強く約束した。苦しい状況でも前を向き、マウンドで戦う日々を想定してきた。リーグ4連覇には宇田川の存在は不可欠。一日も早く戦線復帰し、オリックスのブルペンを支えていく。(デイリースポーツ・関谷文哉)
◇宇田川優希(うだがわ・ゆうき)1998年11月10日生まれ、25歳。埼玉県出身。184センチ、97キロ。右投げ右打ち。投手。八潮南から仙台大を経て20年度育成ドラフト3位でオリックス入団。22年7月に支配下登録。同年8月3日・西武戦(ベルーナド)で初登板(完了)。9月8日・西武戦(同)で初勝利(中継ぎ)。23年WBCで日本代表入り。