【野球】NPB復帰目指す前阪神・高山の現在地 「毎日がトライアウト」 2軍新球団「オイシックス新潟」で行き着いたこととは

 今季からイースタン・リーグに新規参入するオイシックス新潟アルビレックスBCから、NPB復帰を目指す元阪神・高山俊外野手(30)の現在地に迫る。「毎日がトライアウト」と一日一日を勝負と位置づけ、懸命のアピールを続けていく決意を示した。

 雨音が鳴り続ける室内練習場に高山の姿があった。新天地で迎えた9度目の春。「毎日がトライアウトみたいなものなので」。はっきりと言葉にしたその目は、まだ死んでおらず、闘志と覇気も消えていなかった。

 新しい環境だからこそ、トライできることがある。高山は何度も「自分の打撃を見つめ直した」という言葉を使った。阪神で過ごした8年間は試合に出場することを最重要視し、「試合に出るためにっていうことを考えてずっとやってきた」。考えすぎたからこそ、遠回りも空回りもした。

 いつの間にか自分を見失い、さまよった日々。戦力外になったことを契機に、行き着いたのが「自分のバッティングをすること」だった。オフから取り組んだことをキャンプでも継続。チームの“初陣”となった3月1日の教育リーグ・日本ハム戦では2安打1打点、3出塁と存在感を見せ、「ここから実戦も増えてくる。またいろいろ改善点も出てくると思うんですけど、今のところはいい感じできていると思いますね」とうなずいた。

 周囲を見渡せば“同志”と呼べる仲間がいる。ドラフトにかからなかった選手、戦力外になった自分と同じ境遇の選手…。高山は言葉に決意を込めた。「みんな向いている方向は同じなので。やっぱり気持ちが強いなっていう選手もたくさんいますし、見習うことも多い。負けないようにしたい」。原点回帰の場所に選んだ新潟の地で出会った縁。刺激を力に変えていきたい。

 一つの目安になるのが、移籍という形でNPB復帰が可能となる7月31日のトレード期限だ。だが、昨年11月に受けた12球団トライアウトで思い知った現実も忘れてはいない。だからこそ高山は「先を見た数字っていうよりも、もう本当に一試合一試合食らいついていくというのがいいかなというか、そうするべきと思っているので」と大きな目標は立てず、「本当に一日一日って感じです」と足元を見つめた。

 初めて過ごす新潟での時間に表情も少し和らいだ。「ヤバいっすよ、雪」と笑いながら、「魚がおいしい?いろいろ食べましたけど、これから探していきたいですね。ラーメンも好きだし、ラーメンもおいしいらしい」と続けた。新潟から始まるのは自分を見つけ出す新しい旅。「ドラ1」、「新人王」という重い肩書を捨て去り、原点回帰で目指すNPB復帰。第二の野球人生には続きがある、と信じたい。(デイリースポーツ・松井美里)

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