【野球】侍ジャパン 阪神の末っ子キャラ・森下が大学生の西川の肩をポンポン 活躍労う優しい先輩に チームでは見られない一面のぞく
「侍ジャパン強化試合、日本代表5-0欧州代表」(6日、京セラドーム大阪)
試合終了直後、歓喜に沸く京セラドームで阪神ではなかなか見られないシーンが目に飛び込んできた。阪神・森下翔太外野手が勝利後のしきたりを教えるかのように、青学大・西川史礁(みしょう)外野手を一緒にマウンドへアテンド。そして2安打1打点の鮮烈デビューを飾った若き侍の肩をポンポンとたたいた。
昨季、ルーキーながら38年ぶりの日本一に大きく貢献した森下。カワイイ顔に加え、試合中のベンチで涙を流すなど、“末っ子キャラ”のイメージが強かった。オフのテレビ番組出演では先輩達からイジられまくり、「円陣やり直し」や「森下iphone」など強烈なインパクトを残していた。
そんな森下が見せた後輩選手を優しくたたえるシーン。これも昨年、阪神の先輩達が接してきた姿とダブる。ベンチで涙した際は木浪が隣で静かに寄り添っていた。村上&近本と一緒にお立ち台に立った時には、村上に愛あるイジリを繰り出していた森下が、外野手の先輩には「それはできない(笑)」と率直な思いを吐露。優しく、尊敬されるような行動を近本がとってきたからこその反応と感じた。
試合後に見せた後輩への優しい心配りは同じ東都リーグの先輩という意識もあったのかもしれない。西川も嬉しそうな笑みを浮かべながら一緒にマウンドへ走って行く姿が印象的だった。昨季、38年ぶりの日本一へ快走した要因の一つに挙げられたのがチームの雰囲気。森下が後輩を気遣うような接し方を見せたのは、阪神にとって“いい伝統”としてこれから入ってくる選手へ受け継がれていく未来が見える。
試合前には声出し役を務め「村上さんが『森下!』って言って、何も考えてなかったですけど、なんとかチームが勝てたので、明日もあるかわからないですけど、あればしっかりやりたいなと思います」と語った。選手たちの緊張を解きほぐし、首脳陣もどこか笑いをこらえていたような場面も。訴えたのは「積極性」で「しっかり振って、自分のスイングをすれば。良い経験として自分もおさめたいので、悔いの無いようにやりたいと思います」と第2戦へ力を込めた。
欧州代表の選手と一緒に行った能登半島地震の被災地救済のための募金活動では英語でコミュニケーションをとっていた森下。誰からも愛されるキャラが、いずれ尊敬される先輩になる-。そんなワンシーンを侍ジャパンの試合で見せてくれたように感じた。(デイリースポーツ・重松健三)