【サッカー】ナショナルダービーに最も近い横浜M&川崎 「BIG神奈川ダービー」確立への思いとは 関西から王者奪還へ4・3今季初決戦
近年優勝争いを演じてきた神奈川県にホームを持つJ1横浜Mと川崎。昨季は7年ぶりに県外の神戸にリーグ優勝を奪われた。サッカーを盛り上げる要素の一つとなるダービーマッチ。その熱を高める真の「BIG神奈川ダービー」確立へ、横浜MのDF松原健(31)と川崎のDF大南拓磨(26)が4月3日の今季初対戦(日産)を前に王者奪還への思いをぶつけ合った。
同じ地域のクラブ同士が熱いライバル心をぶつけ合うダービーマッチ。Jリーグでは「神奈川ダービー」「大阪ダービー」「多摩川クラシコ」「東京ダービー」など今季も多くのダービーが開催される。ただ、近年「ナショナルダービー」と呼べる黄金カードが存在しないのも、また事実だ。
国立での今季開幕戦、東京V-横浜Mは大きな注目を集めた。だが、J1で優勝争いを続ける横浜Mと、16年ぶりJ1復帰の東京Vの現状は、“かつてのナショナルダービー”と言う方が正しい。
人気と実力を備えたクラブ同士の対戦をナショナルダービーと位置づけるならば、今最も近いのは横浜Mと川崎の「神奈川ダービー」だろうか。
松原は「ここ数年、優勝争いを繰り広げている2チームとして注目度も高いカード。(勝ち点)3ポイントというより、6ポイント相当の(価値がある)カードだと僕は思っている」とし、川崎戦を強く意識する。
確かに2017、18年に川崎がリーグ優勝した。だが、19年に横浜Mが川崎の3連覇を阻止。20、21年は川崎が優勝するも22年は横浜MがV奪還を果たし、6年もの間、優勝を2チームで分け合ってきた。
加入2年目の大南も「前の所属チームにいた時から、マリノスとフロンターレ戦は試合を見たいなと思えるカードだった」と話し、他クラブの選手からの注目度も高い。
昨季は横浜Mが最後まで争いながら優勝を逃し、川崎は故障者続出でリーグ8位。それでもなお、松原は「普段より一層みんな気合が入る。そこを勝つか負けるかで今後を左右する出来事でもある」と譲れない戦いであることは変わらない。
何よりも神戸に奪われた優勝を再び神奈川に-の思いは強い。「昨年は関西に持っていかれた。また横浜に持って来られるようにやるだけ」と松原。開幕戦勝利後に3連敗と出遅れた川崎だが、大南は「フィットすれば結果は出てくる自信を持っている」と横浜Mの撃破を、浮上のきっかけとしたいところだ。
互いに攻撃力が自慢のチーム。面白い展開が期待できる。それでも昨年は横浜Mがホームで「BIG神奈川ダービー」をうたったが、日本で「ビッグロンドン・ダービー」と呼ばれる、イングランド・プレミアリーグのアーセナルとチェルシーの“本家”には、まだ及ばない。
互いが常に優勝争いに絡み、一戦の価値を高める。そこで生まれる熱量を積み重ねることでしか真の「BIG神奈川ダービー」は生まれない。
松原は「初めてサッカーを見た人たちが、また見に行きたいと思ってもらえる試合をしたい」と意気込む。今年の初対戦は4月3日の日産スタジアム。大南が「ダービーの重要性を両チームが理解してる一戦。二つのプライドがぶつかり合う」と話すバチバチの激闘を期待したい。(デイリースポーツ・中田康博)