【スポーツ】競泳ニッポン パリ五輪大丈夫?選考会で日本記録ゼロ 平均年齢22・85歳に突き付けられた課題とは

 競泳のパリ五輪選考会が24日に閉幕した。高校生4人を含む27人(男子14人、女子13人)が内定。昨季の代表選手団より平均年齢が約2歳若い22・85歳と“新星競泳ニッポン”を感じさせた一方で、大会を通してある課題も残った。果たして、日本代表は五輪本番でどこまで戦えるのか。

 花の都の祭典は、厳しい戦いになるかもしれない。8日間に及んだパリ五輪選考会。女子100メートルバタフライで日本女子2人目の56秒台に到達した17歳・平井瑞希(ATSC.YW)、男子400メートル個人メドレーで瀬戸大也(CHARIS&Co.)を抑えて優勝した18歳・松下知之(スウィン宇都宮)ら若手が台頭した一方で、日本新記録は1つも更新されなかった。

 これは「派遣標準記録を突破した上位2人が代表内定」の選考制度になった2004年以降、初めてのこと。五輪選考会で樹立された日本記録数を年別で見てみると、04年「10」、08年「8」、12年「6」、16年「5」、21年「4」となっている。高速水着時代を含むため単純な比較はできないが、それでもこれまでの選考会では、夏に向けて期待がふくらむようなパフォーマンスを発揮しており、今大会は記録面だけで見ると物足りないのは否めない。

 五輪2大会連続平泳ぎ2冠の北島康介氏、リオデジャネイロ五輪400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介氏らを育てた平井伯昌代表コーチは、「派遣標準記録1(国際大会メダル獲得相当のタイム)と、日本新が出ていないのはまずい」と危機感を示し、「日本の水泳が、代表に入ることが目標になっていないか。目線が下がっているんじゃないか」と不安視した。

 ただ、本番に向けて希望はある。今回のパリ五輪選考会は、従来より約1カ月前倒しで開催されたため、その分準備期間が長いこと。200メートルバタフライで男子の本多灯(イトマン東京)、女子の三井愛梨(横浜サクラ)ら多くの選手が五輪、世界選手権入賞相当のタイムを記録したことだ。

 今後はヨーロッパグランプリなどの海外レース、米・フラッグスタッフなどの高地合宿が強化スケジュールとして組まれており、この機会をいかに生かして、選考会より速いタイムを本番で発揮できるかがメダル獲得のカギを握ることになる。

 五輪の顔として、これまで数多くの名シーンを生み出してきた競泳。それだけに列島からの期待も重くのしかかる。そのプレッシャーをはねのけて、大舞台で下馬評を覆してほしい。(デイリースポーツ・谷凌弥)

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