【野球】1試合3失策の阪神・木浪復活へのポイントとは 藤本コーチ「技術はある。腹をくくって」馬場コーチ「次へ次へと行く気持ちで」
阪神の木浪聖也内野手(29)が26日のヤクルト戦(甲子園)で、今季初失策を含む自己ワースト1試合3失策を記録した。八回の守備から交代後は一塁ベンチ最前列で声を出していたが時折、沈んだ表情を見せた。
プロは結果が全てだ。ただ、個人的にはチームへの貢献度や普段の姿勢や誠実な人柄を見ているだけに、複雑な気持ちにもなった。
昨季は初のゴールデングラブ賞を獲得。今季は堅実な守備でチームに貢献してきた。23日・DeNA戦(横浜)は同点の九回2死二、三塁で山本のボテボテのゴロに前進し、難しい体勢から一塁へジャンピングスロー。ギリギリのタイミングでサヨナラ負けを阻止し、引き分けに導いた好守は記憶に新しい。
馬場内野守備走塁コーチは「今はあまり打てていなくても、しっかり守ってくれる。本当に大きいこと」。得点力不足に苦しんだチームにとって欠かせない存在だ。
岡田監督は疲労も考慮し、27日から2試合連続で休養させた。仕切り直しで本来の姿を見せられるか。コーチ陣はメンタルをポイントに挙げた。藤本内野守備走塁コーチは「責任感が強いし、(先発だった)青柳やチームに申し訳ない気持ちは持っている」と気持ちをくみ取った上で続けた。
「(26日の)3つ目のエラーの時は『次やったらあかん』って大事に捕球しにいく気持ちはすごく分かる。でも、『打球を長く見ないと』と思うと余計に足が使えなくなって固まってしまうから」。自身は現役時代にショートでプレー。失策後は足が動かなくなることを想定し、普段より一歩前で守ることもあったという。変化を加えた理由はメンタルがプレーに影響するから。
「木浪は何度もいいプレーをしているし、技術はあるわけだから。メンタルはプレーに響くから、どこかで吹っ切らないとね。腹をくくってね。壁は自分で突破するしかない」と巻き返しへの気合が空回りしない必要性を説いた。
馬場コーチは現役時代の失策後は「もう一回、俺のところに来いと思っていた」という。「次、次って(前向きに)行く気持ちでやってほしい」と背中を押した。
すでに木浪は切り替えはできているように感じる。チームの一員として当たり前のこととはいえ、先発を外れた2試合は一塁ベンチ最前列で声を張り上げた。27日は自身に代わって先発した小幡が五回に安打を放って近本の2ランで生還すると、ハイタッチして背中もたたいて笑顔を見せた。
28日の練習では通常メニュー後にグラウンドに残って再度ノックを受け、丁寧にゴロをさばいた。「準備はできている」。あとはリフレッシュした心にスイッチを入れるだけだ。(デイリースポーツ野球デスク・西岡誠)