【野球】なぜ人はプロテインを飲むようになったのか? 「プロテイン=筋肉」のイメージ払拭
一般人からアスリートまで、昨今はプロテインを日常的に摂取する人が多くなった。多様な味が市場に出回り、一昔前と比べて手に取りやすくなったサプリメントの王道。人はなぜプロテインを飲むようになったのか-。その理由に迫った。
近年ではどこでも買えて飲めるようになったプロテイン。コンビニにはパック飲料として数種類の商品が棚に並び、薬局に行けばプロテインの粉末が手に入る。
今でこそプロテインの日本語訳がタンパク質であることは知られるようになってきたが、少し前まではプロテイン=筋肉。そのイメージが、良くも悪くも世間に浸透していた。実際、プロテインは筋肉の材料となり、トレーニング後に飲むことで吸収効率が上がるとも言われている。肉などを食べてタンパク質を摂取するよりも、飲むだけで素早く体に吸収されるというのもメリット。体に欲しいタイミングで簡易的にタンパク質を補給できることが魅力である。
ただ、女性を含めて一般人にはなかなか手に取りづらいものであったことも事実。プロテインなどサプリメントを扱う「VITAS」の伊藤氏も「プロテインは『筋肉』という印象が強かった」と話す。加えて一昔前は味の面でもマイナスなイメージが強かったこともあり、体を鍛えているアスリートだけが摂取する特別なサプリメントというイメージが一般的だった。
しかし、多様な種類のプロテインが市場に出回るようになり、競争も激化。味にも改良が加えられていき、「プロテインがおいしくないというのは過去の話」と伊藤氏。同社からもマンゴー味やキウイ味など種類豊富なおいしく飲めるプロテインが販売されており、味に対しての壁はなくなってきているという。
パッケージの改良もプロテインを手に取りやすくなった要因の一つ。同社の商品では色使いなどにも工夫が施されており、「かっこいい、おしゃれを追求している」と生活になじむようにデザイン。多様なニーズに合わせて進化を遂げ、プロテイン=筋肉のイメージが払拭されつつある。
筋肉だけでなく、髪や肌などを構成する栄養素としても注目を集めている。現在では美容にこだわる女性のニーズも増加。伊藤氏は「美容面から突き詰めていってもプロテインは必要。そういうことも需要が伸びている理由の一つ」と話した。
パドレスに所属するダルビッシュなどもYouTubeでサプリメントに関する動画を発信するなど、SNSの普及も手助けとなった。同社は今季から阪神・大山や中野とサポート契約を締結。プロアスリートの影響力によって、より一般の人にも浸透していった。
炭水化物、脂質とともに三大栄養素の一つとされるタンパク質。昨今の健康志向の高まりや筋トレブームも重なり、プロテインはより人々の日常に溶け込んでいる。(デイリースポーツ・北村孝紀)