【野球】筒香嘉智の古巣復帰でどんな“化学反応”を巻き起こすか ドラ1・度会の覚醒にも大きな影響

 8回、3ランを放ち喜ぶ筒香=6日
 度会(左)、蝦名(中央)らと話す筒香=6日
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 筒香嘉智の5年ぶりの古巣・DeNA復帰は、チーム内にどんな“化学反応”を巻き起こすか。ドラフト1位・度会隆輝の覚醒にも、大きな影響をもたらすはずだ。

 ハマの大砲が復帰初戦で大仕事をやってのけた。6日のヤクルト戦(横浜)で2点を追う八回2死一、二塁で打席に立ち右翼席へ逆転となる1号3ランを放ち、チームを勝利に導いた。ハマスタでは実に1674日ぶりとなるアーチで、チームは勝率5割に復帰しただけに、その価値は計り知れない。

 筒香は2019年にポスティングシステムを利用して2年契約でレイズに入団したが、米国ではNPB時代のような成績が残せず、マイナーリーグや独立リーグでのプレーを余儀なくされた時期も長かった。今季もサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んで春キャンプには招待選手として参加。メジャー昇格を目指したが、故障やオープン戦5試合の出場で打率・125、2打点という成績で3月21日には自由契約となり今回、DeNAへの復帰を決断している。

 メジャー3年間で打率・197、18本塁打、75打点に終わったが、米国での経験はDeNAに好影響をもたらすはずだ。現在、ヤクルトの指揮を執る高津臣吾監督がいい例だ。広島工高時代から取材し、ヤクルト担当としてその投球をみてきた高津監督は2003年、佐々木主浩氏の持つ通算229セーブのプロ野球記録を更新。3年連続となる最優秀救援投手を獲得し、オフにFA権を行使して1年契約でホワイトソックス入りした。シーズンではリリーフ投手としてリーグ8位の防御率2・31、19セーブを記録して契約延長となったが、翌季は救援失敗が目立ち、7月には事実上の戦力外DFAとなり、その後FAとなった。翌季はメッツとマイナー契約を結び、9月1日にメジャー昇格を果たしたが、オフにFAとなり退団。春季キャンプで入団テストを受け3年ぶりに古田敦也氏が兼任監督を務める古巣・ヤクルトに復帰した経歴を持っている。

 このシーズンは当初、中継ぎだったが石井弘寿、五十嵐亮太の故障離脱を受け、夏場からは抑え投手となり、史上2人目の日米通算300セーブを達成。最終的にはチーム最多の13セーブを挙げ、チームの3位に浮上(前年5位)浮上に貢献している。

 似たような経歴を持つ筒香復帰の恩恵を受けるのがルーキーの度会だろう。社会人ナンバーワン野手として衝撃のデビューを飾ったが、5月1日の中日戦(バンテリン)で開幕27試合目にして初のスタメン落ち。6日のヤクルト戦でも筒香は左翼に入ったこともあり押し出され、代打での出場に甘んじている。

 だが、はい上がるチャンスは十分にある。NPBで実績のある筒香でさえ、MLBでは試合にでられないつらさを味わい、立ち向かっていった。度会が技術面だけでなく精神面でのアドバイスを受けるには、これ以上の生きた教材はない。筒香は今後、戦力に大きなメリットをもたらすだろうが、その影響力はバットだけではない。(デイリースポーツ・今野良彦)

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