【野球】ロッテの高卒2年目右腕・田中晴也の現在地「1日でも早く1軍へ」師匠・西野の言葉 野茂氏からの教えも胸に刻む

ZOZOマリンスタジアムで腕を振る田中晴(球団提供)
ZOZOマリンスタジアムで腕を振る田中晴(球団提供)
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 ロッテの高卒2年目右腕・田中晴也投手(19)が初の1軍マウンドを目指し、ファームで奮闘している。

 「来年は必ず開幕ローテーションに入りたい。そのために今年はどれだけ上で経験できるか。そのためには1日でも早く1軍に上がりたい。そういった意味ではすごく勝負の年」

 今季はイースタン・リーグで5試合に先発し、1勝1敗、防御率3・08。4月27日・オイシックス戦では7回無失点と好投し「ゾーンの中で勝負できたし、ストレートの強さや変化球を入れながら、ゾーンの中で勝負しきれた」。今月10日・ヤクルト戦では6回2失点で、ファームでの“プロ初勝利”を挙げた。

 持ち球はスライダー、フォーク、カーブ。スライダーは「早くて曲がり幅の少ない」ボールと、今年から取り入れた「横、斜めに大きく動く」ボールの2種類。変化球の中で一番重要性を感じているというフォークは、2月の石垣島キャンプで野茂英雄氏から助言を得た。一番自信がある直球も組み合わせ「空振りが欲しい場面でしっかり狙って、スライダー、フォークでしっかり空振りを取り切ること」を目指し、日々取り組んでいる。

 オフにはチームの先輩である西野に弟子入り。「ピッチングスタイルが自分と近い。あとは、長い間プロ野球の世界で活躍している選手なので、いろんなことが学べるかなと思って」と、合同自主トレを行った。

 伝授されたのは、自身が大切にしている「ラインコントロール」について。「ピッチャーは真ん中に投げることはすごく簡単。アウトコースに投げる時はアウトコースが真ん中だと思って、そこに体の並進運動を合わせていくこと(を教わった)」。“師匠”からの教えはゲームで実践。実際にカウントが悪くなっても「ゾーンの中に強いストレートでファウルをとる。スライダーもどのカウントからでも投げられるようになった」と手応えを得ている。

 また、キャッチボールの大切さも教わったという。「キャッチボールの意識は去年より格段に上がった」。野球の練習において、キャッチボールは基本中の基本だが、当たり前の行動も丁寧に行うことが技術に結び着くと学んだ。「野球に直結するのは、投げる動作で一番のトレーニング。当たり前のようにメニューに入っているけど、いかに大事にするかと言われた」と、キャッチボールにもしっかりと目的を持って取り組んでいる。

 キャンプでは佐々木らからも刺激を受けた。「朗希さんだけじゃなくて小島さん、種市さん、西野さんたちは、練習では自分のやるべきことを分かって効率の良い練習をしている。良い選手になるには、日頃の練習が大事と感じた」。1軍の部隊で活躍する選手を手本に、精進する。

 プロの世界で野球をしている限り、目指すのはメジャーリーグだ。「キャンプでは朗希さんとも長い時間いましたし、やっぱり今どんどん日本人がメジャーリーグにでていっている時代。頑張るからには1番上を目指してやりたい。メジャーリーグは最大の目標で最高の結果」と大きな夢を語った。

 まずは1軍へ。課題は「いつでも投げられる、そして空振りが取れる変化球を身につけることと、クイックモーションでもセットの時と変わらないコントロール、球威でしっかりゾーンで勝負できるようになること」と、頭の中で整理はできている。

 その上で、「数字はすごく見られる。まずは1軍のローテーションで投げることが手前の目標。防御率の数字を減らして、より長いイニングを投げて、チームが勝てる可能性をより高くできようなピッチャーになりたい」。ダイヤの原石が輝きを放つまであと少しだ。(デイリースポーツ・南香穂)

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