【野球】西武ライオンズ再建に監督の外部招聘や外国人監督の就任は検討に値するのか

 西武ライオンズ再建に、監督の外部招聘(しょうへい)や外国人監督の就任は検討に値するのか。

 今季、パ・リーグ最下位に低迷する西武は26日、松井稼頭央監督(48)が休養し、元監督である渡辺久信ゼネラルマネジャー(GM)=(58)=が監督代行を務めることを発表した。体調面が理由でない限り、休養した監督がシーズン中に復帰した例は皆無といっていい。事実上の解雇といっていいだろう。西武担当記者時代に松井監督、渡辺GMの双方ともに取材した経験があるだけに、この発表には複雑な思いがした。

 プロ野球は結果が求められる世界である。成績不振となれば、監督が全責任を負って辞任、もしくは解任されるのは仕方がない。そんなケースはいやというほど取材してきた。

 かつて球団のスター選手として活躍。メジャーでのプレー経験も持つ松井監督の手腕に期待した関係者やファンは多かったと思うが、確かに不運な部分もある。1993年オフ、日本球界にFA制度導入されて以来、西武は12球団最多の21選手が他球団に流出している。ここ最近でも楽天で4番を打つ浅村栄斗やオリックスの森友哉、今季からソフトバンクでプレーしている山川穂高らがチームにとどまっていれば、西武のチーム作りは今季とは大きく異なっていたかもしれない。

 ただ完全無欠ではないが、選手の当然の権利であるFA制度が西武だけに不利に働いているわけではない。確かにソフトバンクのような資金面が豊富なチームに有利に働く部分もあるかもしれない。だが、金銭面だけを考えれば海外FA権を行使してメジャーに移籍すれば桁違いの年俸を獲得することも可能だからだ。

 かつて担当記者として、または対戦チームの担当記者として西武の黄金時代を目の当たりにしてきた。それだけに、ここ数年のチームの低迷は時代の流れを感じるが、チーム再建のために、ときには抜本的な改革、外部の血の導入も必要な気がする。

 西武は広岡達朗氏、森祇晶氏がチームの指揮を執って以来、生え抜きの選手が監督になりチームを支えてきた。確かに長年、西武でプレーしていたOBが監督として采配を振るうメリットは大きい。チームカラーやファン気質、組織のガバナンス、親会社との関係に至るまでほとんど頭にたたき込まれており、野球に専念できるからだ。

 ただこれまで大半のプロ野球チームがそうだが、チームをガラリと変えるためには優勝請負人と呼ばれる外部の大物監督や外国人監督の就任も模索した例もある。例えば、ヤクルトはそれまで縁もゆかりなかった故野村克也氏が監督に就任し日本一を獲得した。楽天も球団初の日本一になったのはOBではない故星野仙一氏の監督時代だ。また、ロッテもメジャーリーの監督経験のあるボビー・バレンタイン氏を招聘。2005年にはチームは日本一に輝いた。

 もちろん外部招聘や外国人監督にも弊害はあるだろう。それでも、渡辺監督代行が来季以降、指揮を執るのでなければOBだけでなく、そんな選択肢を模索してもいいような気がする。(デイリースポーツ・今野良彦)

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