【野球】日本ハム・新庄監督 2年ぶり甲子園がい旋に思い「今年、最後かもしれんしね。オレが」

 日本ハムは28日からの交流戦初戦を甲子園で迎える。新庄剛志監督(52)にとって公式戦では22年の交流戦以来の“がい旋”。就任3年目を迎えてここまで貯金7、リーグ2位と好調で臨む古巣との戦い。阪神、そして甲子園への思いを語った。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 「甲子園に育ててもらった。デビューは(背番号)63番。そこから5番になって、10年育ててもらった。歴史と思い出がめちゃくちゃ詰まった球場」。どこか遠い目をしながら、口を開いた。

 3年目の92年にブレークして一躍“虎のプリンス”となった。外野手としてヤジを背中で受け止めてきただけに「メンタルを鍛えてくれた場所」とも言う。時には野球以外の言葉も浴びたが「『そういうヤジの仕方あるんだ』って。よくフライデーされていましたからね」とそのセンスに感服することも。「阪神ファンを超える球団は世界でもないんじゃないかな。それも楽しみですね」と“再会”を待ちわびた。

 打撃に悩んだ94年には「試合も真剣に観ていてくれる」と阪神園芸従業員に相談。「5番がしわしわになってるからまっすぐ立ったら?」というアドバイスを受けて、猫背ぎみになっていることに気付かされた。打席に入って背筋を伸ばしながらバットを上に持ち上げるルーティンは、その日から始まった。

 99年に就任した野村監督の下では二刀流にも挑戦。敬遠球サヨナラ打を記録したのもこの年だ。

 監督就任1年目の22年は甲子園で3連敗。6月3日の初戦では、三回を終わって7-1から逆転された。「あの時はもう全然、トライアウト時期だったから。今年は三つ狙いにいきますよ」。種蒔きから初めて新庄イズムを浸透させてきたチームでの3連勝を誓った。

 「交流戦は毎日が楽しみ」と言う。「僕はセ・リーグ出身なんで、戦い方も分かるし。どういうピッチャーがくるかとかは、ずっと映像見てきたので分かっている」。エスコンの監督室。テレビモニターにiPadも駆使して、リーグ問わず相手チームの研究に没頭してきた。その成果を示す場でもある。

 戦い方を問われて「うちのピッチャーがどれぐらバントできるか。それがカギになると思う」。DH制のない敵地での戦いも腕の見せどころ。「バッティングのいいピッチャーもいる。伊藤君、山崎君。加藤(貴)君も当てる技術がある。何かしら作戦は立てられる。バントだけじゃ面白くない。去年、バスターエンドラン決めたしね」とニヤリ。投手の打順についても「3番もありうる。6番とか?」とけん制した。

 阪神戦。現役時代も重なる岡田監督との対戦。「それはもう自然体で。今まで通り。ぐっちゃぐちゃにしてやろうかな」と正面からぶちあたる思いだ。「今年、最後かもしれんしね。オレが」。ユニホームを着て立つ、最後の甲子園になるかもしれない。そんな覚悟もある。満員の甲子園で、現在進行形の新庄剛志を見せつける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス