【野球】19年ぶり11連勝マークしたロッテが15試合も負けなかった理由 キーマンは大卒4年目・小川龍成 驚異の守備範囲
交流戦首位を走るロッテが2005年以来19年ぶりとなる11連勝をマークした。2日・阪神戦でストップしたものの、それまで4試合連続で延長戦に持ち込み、粘り強く戦った。勝利の要因のひとつに金子誠戦略コーチ(48)が挙げたのは守備力。中でもキーマンは、負けなしだった15試合のうち14試合でスタメン出場した大卒4年目の小川龍成内野手(26)。驚異の守備範囲で何度もチームを救った。
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交流戦単独首位を走るロッテが1日・阪神戦まで15試合負けなしの11連勝。5月29日・ヤクルト戦から4試合連続で九回に追いつき延長戦に持ち込む粘り強さを発揮した。2日に連勝は途切れたものの、日本一になった2005年以来19年ぶりの記録的連勝だった。
勝ち続けられた理由の一つに金子戦略コーチは「守れてるから。投高打低は数年続く。その中でやらなきゃいけないのは守ること。27のアウトをしっかり取れているのが大きい」と守備力を挙げた。中でもキーマンは、主に二塁を守っている小川だ。
今季は41試合に出場して打率・278、0本塁打、7打点。5月14日・オリックス戦から連勝が始まり、小川は15日以降の全試合にスタメン出場している。そんな小川の強みは2失策の手堅い守りと驚異的な守備範囲だ。
印象的なのは24日・ソフトバンク戦。八回に柳田が放った一、二塁間への球を素早い動きで二ゴロに。通常では捕れないような打球に追い付いた。29日・ヤクルト戦の三回にもサンタナのあわや右前打の打球を華麗にダイビングキャッチ。その姿はまるで忍者だった。
本人にそのシーンについて尋ねると「根元さん(内野守備コーチ)と打球方向のデータを試合前に確認している。ピッチャーとの力の兼ね合いもある。試合の中で感じながらポジショニングを取っている」と答えてくれた。圧倒的なセンスと、周到な準備がそこにはあった。また、根元コーチは「元々守備範囲は広いタイプ。自分で考えながらやっている。誰が見てもそこはプラス要素」と太鼓判を押した。
小川は打撃にも魅力がある。28日・ヤクルト戦、31日・阪神戦ではサインではなく、自身の判断でセーフティーバント。31日は2安打4四球で全打席出塁。延長十回にはサヨナラの押し出し四球を選んだ。「自分みたいな立場はチームバッティングや嫌らしさが必要。そこを持ち味にしていかないと生きていけない。やるべきことをやろうと打席に立っているのが粘りにつながっている」。冷静さと、勝利への貪欲さ。自覚が見えた。
吉井監督も「『キャンプからオレの出番はまだか』っていうのがにじみ出るぐらい練習していた。ああいう選手はどっかで抜けてくる」と期待する。マリーンズの戦いに小川は欠かせない存在になった。(デイリースポーツ・南香穂)
◆小川 龍成(おがわ・りゅうせい)1998年4月5日生まれ、26歳。群馬県出身。171センチ、74キロ。右投げ左打ち。内野手。前橋育英、国学院大を経て2020年度ドラフト3位でロッテ入団。プロ初出場は21年8月17日・西武戦(ゾゾ)で途中出場。俊足強肩で守備範囲の広さが魅力。