【野球】前ロッテ・福田秀平 経験豊富で「くふうハヤテ」の顔に NPB復帰へ「こだわりはない」

 試合前の打撃練習をサポートする福田(左)
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 昨年11月のオーナー会議で、2軍リーグに新規参入することが正式承認された「くふうハヤテ」。あれから約半年が経過し、既に公式戦に突入している。そんな中、若手に交じってハツラツとプレーしているベテランがいる。前ロッテの福田秀平外野手(35)。多くの選択肢がある中、新球団を選んだ理由と自身の将来像を語った。

 「くふうハヤテ」の顔的な存在と言っていいだろう。経験豊富なベテラン・福田。現在の心境を「新鮮な気持ちといいますか。新しいプロ野球チーム。NPBとしても新しい試み。その中で僕自身、新天地に来て野球もそうですけど、いい体験をさせていただいている」と明かす。

 NPBで走攻守の三拍子そろった外野手としてプレーした。ソフトバンク時代の11年には97試合の出場で22盗塁をマークした。19年オフに国内FA権を行使してロッテに移籍。23年オフにロッテが来季の契約を結ばないことを発表したが、現役続行を希望して移籍先を模索した。

 「ありがたいことにいろいろなオファー、選択肢がありました」。野球では社会人や独立リーグ、クラブチーム、さらに「野球とは離れた一般企業の方からもいくつかオファーをいただいた」。指導者になる道もあったが「僕はプレーヤーとして、まだもう少しやりたかった」という思いが強かった。

 オファーを受けていた静岡の新球団に決めた。「ゼロ、1で始まる組織にすごく興味がありました。新たな試みで普通じゃ経験できることではない。普通は既存のチームにみんな入っていく。新しくゼロから立ち上げる球団に、まして僕が1期生として入る。これも縁だと感じました」。真っさらな状態でスタートするチームに好奇心をそそられた。

 古傷を抱える右肩は完治しておらず、一塁手としても出場している。故障の影響で全盛期のようなプレーができないことに歯がゆさもあるだろう。それでも「この肩でできる範囲でプレーしよう」という意識で取り組んでいる。ベテランが存在感を発揮したのは4月19日のウエスタン・阪神戦(ちゅ~るスタジアム清水)。同点の九回無死満塁から左翼にサヨナラ打を放った。「絶好のサヨナラのチャンスだった。何とか外野に飛ばせば、前に飛ばせば事は起こると。正直、うれしいというよりもホッとしたのが一番ですかね」と正直な思いを口にする。

 福田の場合、今季中ならば、補強期限の7月末までNPBに復帰できるチャンスがある。「(NPBへの)こだわりは特にないです。自分がコントールできることではない。僕が行きたいと言っても行けない世界ですし。一日一日、できることを目の前のことをやっていくだけ」と打ち明ける。将来像についても「今後、自分がどうなっていくか、どうなりたいかは今、考えている。野球関係に携わっていくのか、違う道に行くのか。模索している段階ではあります」と語る。

 チャレンジャー精神でゼロからスタートした新球団を選んだベテラン。実績ある男の今後の動向からも目が離せない。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

 ◆くふうハヤテ 正式名称は「くふうハヤテベンチャーズ静岡」で、運営会社はハヤテグループのハヤテ223。24年1月にベンチャー企業の「くふうカンパニー」との資本提携により「くふうハヤテ」となる。本拠地はちゅ~るスタジアム清水(静岡市清水庵原球場)。いずれも静岡県出身で元横浜(現DeNA)監督の山下大輔氏がGMを務め、元近鉄で通算139セーブの赤堀元之監督が指揮を執る。

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