【野球】なぜ?電撃トレード成立の背景 「すぐ使いたい」西武の熱烈オファーに応えた巨人・阿部監督の親心

 巨人の松原聖弥外野手(29)と、西武・若林楽人外野手(26)のトレードが成立したと24日、両球団が発表した。外野手同士の交換。なぜ-の声も挙がるが、今回は歴史的な低迷にあえぐ西武からの熱烈オファーに、新天地で松原の活躍を願う球団、阿部慎之助監督(45)が応えた。新潟移動前、明かした。

 「今回は西武ライオンズさんから、すぐに使いたいと言っていだたいたトレードでした。うちではチャンスが少なかったですけど、西武ライオンズでレギュラーになれるチャンスもある。それ目指して頑張ってほしい」

 トレード成立後、本人からも連絡があった。「チャンスと思って、思い切って頑張ってこい」と伝えた。誰より才能を認め、活躍を願っていた指揮官の親心でもあった。現状、「チャンスは少なかった」と言うように、外野は交流戦途中から中堅・ヘルナンデス、右翼・丸を固定。左翼は日替わり起用で、ベテランの長野や立岡、萩尾、ドラフト3位・佐々木(日立製作所)らが出場機会をうかがうなど競争は激しい。

 松原は春季キャンプから1軍に帯同。徹底して逆方向に強い打球を求め、反復してフォームを固めた。阿部監督は当初、萩尾、佐々木と正センターの座を競わせ、実戦で結果を残す度に「すぐ1日で忘れちゃうから、明日も見ときますよ、忘れていないかを。忘れていたら言おうと思います」と、活躍をうれしそうに話す姿が印象的だった。

 開幕2戦目の3月30日・阪神戦で途中出場から、初打席で中前に2点適時打を放った。直後のベンチでは「どうせ打てねぇだろと思ってたわ」と、ニヤり笑って祝福した指揮官だが、試合後のインタビューではあふれる思いを隠さなかった。

 「今年はすごく、生まれ変わったようです。すごく野球を楽しそうにやっているので、何とか後押しできればなと思っています」

 亀井外野守備兼走塁コーチも現役時代の21年、引退スピーチで「聖弥、あんたは天才だから。もうちょっとだけ、頭を使っていけよ」と語ったのは有名だ。当然巨人でも戦力だった中で、活躍の場が広がる新天地に送り出したのは、阿部監督にとっては最後の“後押し”だっただろうか。今季開幕後では12球団初のトレード成立。求められた逸材を快く送り出した。

 一方、巨人は素質重視で26歳の若林を獲得。1年目の21年シーズン、わずか44試合で20盗塁を記録した。左膝前十字靭帯損傷で途中離脱したが、走攻守で高い潜在能力を秘める。丸、立岡、佐々木ら左の外野手が多い一方で、若い右打者はオコエ、萩尾らがいるが手薄で、両球団の補強ポイントにも合致した。

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