【サッカー】57歳キングカズは今季何度華麗に舞うのか ファンが再現を期待する代表戦での圧巻1試合6ゴール

 笑顔でクールダウンする三浦知良=2日
 サポーターと写真に納まる三浦知良=2日
 トレーニングする三浦知良(右)=2日
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 キングカズこと元サッカー日本代表FW・三浦知良(57)は今季、何度、華麗に舞うのだろうか。

 J2横浜FCから日本フットボールリーグ(JFL)アトレチコ鈴鹿(旧名・鈴鹿ポイントゲッターズ)に期限付き移籍で復帰した三浦知良が2日、三重県津市での練習に初参加し、約1時間の全体練習で汗を流したという。

 経営陣が刷新される前の鈴鹿ポイントゲッターズでプレーした2022年以来、1年半ぶりの復帰。自身が持つJFLの最年長得点、同出場の記録更新が期待されているが、ファンが熱望するのはゴールを決めた際に披露する「カズダンズ」だろう。

 これでもか-というほど「カズダンス」を目撃したことを思い出す。1997年6月22日、旧国立競技場で行われた1998年フランスW杯アジア1次予選・マカオ戦である。この試合、日本が10-0でマカオに大勝したが、FWとして先発出場したカズはこの試合で釜本邦茂氏(80)、木村和司氏(65)と並ぶ国際Aマッチでの1試合6ゴールという見事な活躍でスタジアムを沸かせた。

 前半12分、MF名波浩氏(51)の右コーナーキックを頭で合わせたのがゴールラッシュのスタートだった。同29分には、この試合で代表初ゴールを奪った中田英寿氏(47)の左からクロスを再び頭で合わせた。同44分にはPKも決めてハットトリックを達成している。

 後半に入っても勢いは止まらなかった。12分に18メートルのFKを決めたのを含め3得点を奪ったのだ。相手が格下・マカオとはいえ、まさにピッチ上の大王様、キングと呼ばれるにふさわしいゴール量産だった。

 試合前、カズは当時の日本サッカー協会の故長沼健会長から「5点取ってこい」とノルマを課されていた。その上をいく6ゴールに試合後、カズ本人も「まさか取れるとは思わなかった」とほころばせたが、あくまで貪欲だった。6得点が日本タイ記録と知らされるや「それならば7点取っておけばよかった」と真顔でコメントしたことを覚えている。

 当時、カズは30歳。まだまだ動ける年齢だったが、この年のJリーグ開幕前に右足首を捻挫。リーグ戦では長期離脱を余儀なくされ、マカオ戦前の代表合宿中も治療は欠かせない状態だった。それでも、自身が93年4月11日のバングラデシュ戦で奪ったW杯予選1試合4ゴールという自己記録を更新したのはさすがだった。

 この試合では髪を金色に染め、しかも緑のメッシュを入れていた。それに比べて今は年相応に白髪が目立つヘアスタイルだが「次のゴール、次の勝利を目指して全力を尽くしたい」と意欲は少しも衰えていない。

 登録の関係で14日からのリーグ戦出場となる予定だ。昨年2月にポルトガル2部のオリベイレンセに期限付きで移籍し、プロ39年目の今年は5月の2シーズン目終了まで5試合に出場し無得点に終わった。だが、今季はその鬱憤(うっぷん)を晴らす「カズダンス」のラッシュをファンは期待している。(デイリースポーツ・今野良彦)

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