【野球】なぜ今年のセ・リーグは大混戦?首位・広島から5位・中日までが3・5差の大激戦 評論家が分析

 球宴まで各球団が残り4カードとなる中、セ・リーグでは首位・広島から5位・中日までが3・5ゲーム差の中にひしめく大混戦となっている。

 現在首位の広島だが、3勝9敗1分けと苦手とする中日に3タテを食らい、一気にゲーム差を詰められた。9日からはここまで5勝5敗2分けの巨人2連戦、12日からは7勝2敗と圧倒しているヤクルト3連戦、15日からは7勝4敗のDeNA3連戦、19日からは6勝6敗1分けの阪神3連戦となっており、好相性のヤクルト、DeNAから白星を稼げるかがカギになりそうだ。

 ゲーム差なしで2位の巨人は4連勝中と上り調子。3連勝を飾った5日からのヤクルト3連戦では合計21得点。1試合平均7得点と好調で、広島、DeNA、阪神、中日と続く残り11試合でも打線が爆発するかが見どころだ。

 首位・広島に1ゲーム差の阪神は2カード連続勝ち越し中。開幕から佐藤輝、大山、ノイジー、森下が2軍落ちするなど、決定力不足に劇的な改善の兆しは見られないが、7日のDeNA戦で今季4度目のサヨナラ勝ちを飾るなど、投手陣の踏ん張りを軸にした接戦を制する力はある。ヤクルト、中日、巨人、広島と続く11試合。中日とは7勝3敗2分けと好相性なだけに、そこで白星を稼げるかがポイントのひとつになりそうだ。

 同じく1ゲーム差のDeNAは現在2連敗中。7日の阪神戦では今季ワーストの1試合4失策で勝利を手放すなど、3試合で5失策。262得点はリーグ2位ながら、260失点もリーグワースト2位。失策を含めて無駄な失点を少しでも減らせられるかが、勝利への近道となる。

 3・5差で5位の中日は首位・広島に3連勝を決め、勢いに乗っている。6日の同戦では阪神戦力外から育成契約を経て支配下選手となった板山が大瀬良から6年ぶり2本目となる本塁打を放ち、7日にはプロ初のサヨナラ打を決めた。打率・329と高い数字を残しており、細川、カリステらと好機で一本を生むことができれば、投手陣はリーグトップクラスなだけに勝機は高まるはずだ。

 混戦を極めるセ・リーグ。どこが抜け出す力を持っているのだろうか。

 阪神OBの中田良弘氏は「今年はどこの球団にも『これだ!』という決め手がない。連勝したとか思ったら、同じくらい連敗する。それがどのチームにも共通している。こんなシーズンは珍しいと思うよ。ただ、中日が広島相手に3連勝したのは間違いなくセ・リーグを面白くした」と解説した。

 続けて「これは今年に限ったことではないんだけど、やっぱり先制点を奪ったチームが有利に働くと思う。分業制が進んで、救援投手陣の高速化も進んでいるから、リードを奪っているチームが勝利に近い位置にいることは間違いない。どこにも決め手がないような今季だからこそ、連敗をいかに短くできるか。そこも大きなカギになってくるんじゃないかと思う」と分析した。

 球宴までの4カードを終えると、各チームがおおよそ50試合近くの残り試合となる。1試合の重みがペナント終盤と比較して、まだ軽い段階と呼べるこの時期に苦手を作らず、好相性の球団に対してはいいイメージを維持できる結果を残すことが、秋口をにらめば大切になってくる。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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