【スポーツ】河本結 不振脱却への道のりとは 渋野日向子に復活誓った「私ら、こんなんじゃ終わんない」

 好調が続く河本結
2枚

 昨季は不振に苦しんだ1998年度生まれの“黄金世代”の2人が、本来の姿を取り戻した。河本結(25)=RICOH=と渋野日向子(25)=サントリー。それぞれ日米と主戦場は違うものの、互いに優勝争いを繰り返し、既に来季のシード権を確実にしている。今季開幕前、渋野に復活を誓った河本の不振脱却への道のりとは。

 今年の国内ツアー開幕前、河本結と渋野日向子は、とある飲食店でハイボールと酎ハイサワーを片手に語り合った。「私ら、こんなんじゃ終わんないよなっ。今年はやってやろうぜ」。今でも河本のSNSの投稿に残っている。ともに昨季は不振に苦しんだが、今季は目覚ましい復活を遂げている。

 “決起集会”では、いったいどんなことを詳しく話したのだろう。今季への秘策や、これまでの苦労話などがあったのか。女性の食事中の話にヤボだと思いながらも、興味を持った記者は、河本に渋野とのやりとりについて聞いてみたが、「ゴルフの話をしただけですよ。私たちゴルフが好きなので」とあっさりかわされた。

 2人は18年7月の最終プロテストに合格した90期生の同期。河本は翌19年3月のアクサ・レディースでプロ初優勝を果たしたが、21年途中に主戦場を米女子ツアーから国内に戻した後はシード権をつかめず。以前のコーチと取り組んだスイングの改善が「私には合わなかったのかな」と歯車が狂い始め、23年は出場31戦で16度の予選落ちを喫した。

 渋野は19年AIG全英女子オープンを制して、当時は樋口久子さん以来のメジャー制覇を成し遂げ一躍時の人となった。だが、優勝は21年に国内で2勝を挙げて以降は遠ざかっている。22年から米女子に本格参戦したが、23年はポイントランキング83位で、フルシードをわずか1年で手放した。

 ほぼ同時期に栄光と転落を味わった2人。ただ、河本に関しては、復調傾向が昨秋からすでに表れていた。5年ぶりの出場となった9月以降のステップアップツアーでは3度の2位。11月の最終QTは4位で今季の前半戦出場権をつかんだ。

 きっかけは昨年4月、メンタルトレーナーの兼下真由子氏との出会い。兼下氏から、朝晩5分間瞑想(めいそう)をするというメンタルトレーニングを取り入れ始めた。試合中の雑念は消え、集中力が向上。昨季序盤は「楽しくなかった」というが、今は笑顔が絶えないほどメンタル面は上向いている。

 今季トップ10入りが10度はツアー2位で、メルセデス・ランキングは10位。一方で、渋野も笹生とともに日本のゴルフ界を沸かせた全米女子オープン2位以降も好調が続く。河本の戦友に向けた「こんなんじゃ終わんない」という誓いは、2人の優勝という形で完全な有言実行になるはずだ。(デイリースポーツ・中谷大志)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス