【野球】“休暇”の裏で行われる球宴に出場する意義とは?広島・秋山「『休みになってしまう』という表現が適切」栗林「出てなかったら…」

 少し前の話になるが、今年も球宴が大盛況の中で行われた。2戦合計12発が乱れ飛んだ打撃戦は投高打低の時代の中で華やかに映った。広島からは6選手が出場。球宴に出場する意義とは?当事者である秋山翔吾外野手と栗林良吏投手に聞いてみた。

 今年の球宴は広島からは、監督推薦で大瀬良、栗林、床田、坂倉、小園、秋山の6選手が出場した。選出が発表された際、SNS上ではファンから喜びの声が上がった一方で、「休ませてあげたかった…」、「休める時に休めない」というコメントも散見された。

 確かに球宴のスケジュールはハードだ。今年の広島勢の場合、前半戦の最終戦を甲子園で戦い、翌日に第1戦の舞台である北海道へ移動。第1戦の翌日の午前中に東京へと空路で移動し、第2戦を神宮で戦って、1日の休養を挟んで、再び神宮で後半戦最初のカードを迎えた。

 秋山は7度目の球宴で今回は2戦ともに出場した。今年で36歳。前半戦もフル稼働していただけに“休みたい”という思いがあっても不思議ではないが、「いやいや、(球宴に出場できないことは)『休みに充てられる』というよりも、『休みになってしまう』という表現が適切だと思う」と強調した。

 その上で「僕はこういう場に出ることが自分の経験値を増やしていくと思うから選ばれていたい」と素直な思いを明かし、「(他チームの)相手との会話の中で、この選手はこういう風に考えているんだなとか、これだけでも十分ここに出ている意味は大きい」と充実の表情を見せていた。

 3度目の選出となった栗林は第1戦でリリーフ登板。特に投手の場合は調整の部分で出場の影響を大きく受ける。栗林も前半戦を守護神としてフル回転していただけに「オフなのはうらやましいという気持ちはあった」という。ただ、いざ出場してみると、その思いは一変。「出てみたら楽しかった。今は出て良かったなと思っているし、出てなかったらこういう思いにもなれていない」と球宴後に話していた。

 特に第1戦前に行われたファンの前に私服姿で登場して交流する『ブルーカーペットショー』が印象に残っているという。「シーズンに入るとなかなかファンの人と交流する機会がない。そういう意味でファンの声も聞けたし、リフレッシュしたままマウンドに上がれたというか。そういうのはすごく新鮮だった」と夢の祭典を満喫した様子だった。

 これから迎えるのは酷暑の8月戦線。合理的に考えれば、球宴に出場することはメリットだけではないのかもしれないが、出た者にしか分からない貴重で充実した時間であることは確かだろう。(デイリースポーツ・畠山賢大)

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