【野球】首位巨人が初回に前進守備を仕掛けた理由 勝敗背負う阿部監督の采配力「元々は阪神ファンだから」

 4勝目を挙げた井上(左)を出迎える阿部監督(27日)
 DeNAに勝利し、ナインとタッチを交わす阿部監督=27日
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 首位・巨人が後半戦開幕のDeNA3連戦(横浜)で3連勝を収め、5連勝と好調だ。その裏には固定観念にとらわれない阿部慎之助監督(45)の柔軟な采配がある。27日の同戦では初回1死三塁のピンチで前進守備を指示。翌28日は7月の快進撃を支えた大城卓を休ませ、21試合続けて固定していた打線を連勝中に解体。代役5番の新助っ人・モンテスが2打点と積極采配が奏功している。

 歴史的な混戦が続くセ・リーグで、巨人が頭一つ抜け出しそうな雰囲気だ。後半戦開幕のDeNA3連戦。初戦は同点の八回、阿部監督が重用する捕手・岸田の決勝打で制し、2、3戦は積極タクトで勝ち切った。まずは27日の第2戦。初回、スタンドも驚く采配で勝利への執念を示した。

 この回、先発の井上が1死一塁の場面で暴投。三塁まで進まれるピンチを背負った。打席には好調の佐野。セオリーなら「1点OK」-だが、阿部監督は内野に前進守備を指示した。結果的に一ゴロに抑えると、続く牧を空振り三振で無失点。勝敗の分岐点となった。

 「相手にプレッシャーかけるというのもあった。あの場面で1点入る、入らないでは展開的に大きいと思って、いきなり勝負かけたんだけどね」

 攻撃では「いかに得点圏に走者を置くか」を最優先に、基本的にシンプルな作戦を理想とする。一方、ここぞの場面はセオリー度外視だ。28日の第3戦は「5番・遊撃」でモンテスを起用した。6月27日のDeNA戦以降、21試合で1番~5番を固定。だが「固定したら勝てるかといったら、勝てないと思う」と、7月の快進撃を支えた大城卓を休ませ、新助っ人は2打点の活躍で応えた。

 0-0で迎えた五回無死一塁では、小林が「準備はしていた」と初球エンドラン。二塁カバーに入った牧が逆を突かれ、定位置付近に転んだ打球が抜けて得点につながった。2月から「選手にはそれぞれ役割がある。僕がやりたい野球を理解してもらう」と対外試合初戦からスクイズ、エンドランと多様な攻撃を仕掛けてきた。シーズンも後半戦に入り、監督の思いは選手に浸透している。

 「元々は阪神ファンだから」と、阿部野球の根底には阪神の野球がある。岡田監督にも今年3月、12球団監督会議で幼少期の憧れを初告白。「おーホンマか」と笑みを向けられ、新米監督として若い選手との接し方を聞いた。連覇を狙う阪神と、4年ぶりのV奪回を誓う巨人。30日からの直接対決では、両指揮官の采配にも注目が集まる。(デイリースポーツ巨人担当・田中政行)

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