【野球】広島・ドラ1常広の現在地 ファームで鍛錬中 先を見据えてフォーム追求の日々

 昨秋ドラフトで楽天と競合の末、広島にドラフト1位で入団した常広羽也斗(22)=青学大=はここまで1軍登板はなく、ファームで鍛錬を重ねている。現在の取り組みや目標などを聞いた。

 広島2軍本拠地の由宇で11日に行われたウエスタン・ソフトバンク戦に常広の姿はあった。とにかく暑い。気温35度を超える12時30分試合開始の一戦で、右腕は長袖のアンダーシャツに身を包み、淡々とした表情で投げていた。

 結果は先発で6回1安打無失点。8試合目の登板で公式戦初勝利。プロ入り後、先発した試合では初めて無失点で終えた。試合後には開口一番、「久々に0点で抑えられてうれしい」と、はにかんだ姿が印象的だった。

 2球団競合の新人としてカープの門をたたいた今季。春季キャンプから体作りを優先し、スロー調整してきた。キャンプ後は3軍に合流し、初実戦は4月中旬。そこから5月7日のウエスタン・阪神戦で公式戦デビューし、同リーグではここまで9試合に登板して1勝5敗、防御率4・43という成績を残している。

 現在も理想の球を投げるため、フォームを追求する日々。シーズン序盤は直球がシュート回転してしまい、弱くなってしまうことが課題だったが、徐々に克服した。新たにカットボールも覚え、11日の試合では同球種で空振り三振も奪った。

 即戦力という評価を受けていたが、今は先を見据えてじっくりと飛躍の足掛かりをつかもうとしている段階。「あまり1軍とか2軍とか気にしてなくて、自分の投げたいボールを投げることが今は一番大事だと思う」と現状を見つめた。

 1軍は優勝争いを繰り広げている。「今の目標は?」。その問いにも右腕は、「目標は分からないです。自分の満足いくボールが投げられてから、そういうことを言えると思う。自分の中で完全に自信を持って勝負できる状態になったら、自然と目標も出てくると思う」と冷静だった。己のペースを崩さないという強い意志が感じられた言葉。ドラ1ルーキーは成長の階段を着実に登っている。(デイリースポーツ・畠山賢大)

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