【野球】広島・小園 大きな進化示した一つの四球 20日・巨人戦で“読み”さえ冷静に押し出しを選べた理由とは?

 広島は20日からの巨人、阪神との6連戦を3勝3敗で乗り切り、首位をキープした。接戦が続いた中で、20日・巨人戦で小園海斗内野手(24)が選んだ一つの四球。今季チームで唯一、全試合出場を続ける若鯉の成長が詰まった1打席を振り返った。

 チームにとって、小園にとって、大きな1打席だった。「自分でカウントをつくれたのは成長したかなと思う」。2位、3位と戦う6連戦の初戦で生まれた一つの四球に小園の成長が詰まっていた。

 場面は1点リードの四回。山崎伊に対し、3連打で無死満塁とするも、秋山、野間が空振り三振。無得点なら相手に流れを渡しかねない展開の中、打席を迎えた。

 前打席ではフォークを振らされ、空振り三振。この打席でも、初球から2球連続で同球種を空振りし、簡単に追い込まれたが、「前の打席より落ちているなという感覚を2球振ってつかめた」と頭の中は冷静だった。

 ここから3球投じられたフォークを全て見送り、押し出し四球をもぎ取った。一塁へ歩き出す際には大きく首を横に振った。「ボール、ボールと自分に言い聞かせてました」。続く末包、坂倉が連続適時打を放ち、この回一挙5得点で突き放した。

 この打席では“読み”がさえていた。カウント3-2から内角の直球をファウルにし「もうないな」と内角直球は頭から消去。「外の真っすぐかフォークの2択」と腹をくくり、7球目のフォークを見送った。朝山打撃コーチは「彼の成長だよね。読みが大半合っている。頭を使った打席だった」と成長を評価する。

 この6連戦中に放った8安打は全て4球目以内と、積極的に仕掛けるスタイルは変わっていない。その中で今季、すでに四球数は22年の自己最多だった24個を更新する26個を記録。積極性と追い込まれてからの粘りを両立できている要因は、技術とメンタルにある。

 「待っていない球種がきても絶対に振れる自信があった。簡単に追い込まれてもチャンスはある。最後まで諦めず集中するのが大事」。状況に応じて最善を尽くしていく姿勢が実を結んでいる。

 ここまでチーム唯一の全試合出場を続ける24歳。6年ぶりの頂点を目指すしびれる戦いが続く中、さらなる成長と遂げていく。(デイリースポーツ・高橋涼太朗)

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