【野球】日本ハム・新庄監督が高卒3年目右腕を守護神に大抜てきした理由「誰がいいと思います?」逆質問返答も

 楽天戦で力投する柳川=27日
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 日本ハムの若き守護神が躍動している。高卒3年目の柳川大晟投手(21)だ。7日の楽天戦(楽天モバイル)で初めて九回のマウンドに立つと、1安打されながら無失点に抑えて初セーブを記録。27日現在クローザーとして計9試合に登板して自責点0。7セーブ、1Hホールドの活躍を見せている。新庄剛志監督(52)が、今年5月に支配下登録されたばかりの右腕を抜てきした理由とは-。

 「これが成長なんですよ。勝ち負けを飛び越えた、こういう場面での起用が、彼の野球人生でめちゃくちゃ、自信になったと思うから」。新庄監督は柳川をクローザーとして初起用した楽天戦後に胸を張った。

 8月4日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)。守護神・田中正が1点リードの九回に2点を失い、痛いサヨナラ負けを喫した。8月に入って不安定な内容が続いた田中正は6日に登録抹消された。代役は…?

 前後して新庄監督と話す機会があった。「誰がいいと思います?」と逆質問された。「池田君かな。ハートも強いですし」と返答した。すると少し考えて、4人の候補の名前を挙げた後で「柳川君、面白くないですか?」と明かした。その時はまさかと思ったが、この時、すでに決めていたのだろう。後になってそう思った。

 柳川大晟。九州国際大付から21年度育成ドラフト3位で入団した。3年目の今季、5月10日に支配下登録された。同26日の楽天戦(楽天モバイル)で初先発し3回KOで初黒星。翌日に登録抹消され、リリーフとして再調整した。7月16日に再昇格。4試合に登板し、守護神デビューとなった8月7日を迎えた。当時1軍登板計5試合の21歳の大抜てきだ。

 与えられた“一瞬のチャンス”をつかみ取った。191センチの長身から投げ降ろす直球は最速157キロ。空振りの取れるフォークに、鋭く変化するカットボールも大小投げ分ける。並み居るプロの強打者を手玉に取った。「ブルペンとか準備するときは緊張しています。マウンドではそんなに緊張してないですけどね」。表情を変えずに淡々と投げ続けて、結果を積み上げている。

 「クローザー、全然想像していなかったです。シーズン始まる頃は夏場くらいに支配下に上がって、1軍で終えられたらいいなと思っていました。育成から上がったばっかりでクローザーとか、ないと思うので、しっかり感謝していきたいなと思います」。想像を超えた役割。意気に感じて、マウンドに立つ。

 5月10日、支配下登録会見の際に、新庄監督は話していた。「最終的にはこの子は抑えで12球団ナンバーワンのピッチャーになる可能性がものすごくある」。大抜てきする監督がいて、期待に応える選手がいる。ナンバーワンクローザーへの第一歩を力強く踏み出している。(デイリースポーツ・鈴木創太)

 ◇柳川 大晟(やながわ・たいせい)2003年8月21日生まれ、21歳。大分県出身。191センチ、92キロ。右投げ右打ち。投手。九州国際大付から21年度育成ドラフト3位で日本ハム入団。24年5月に支配下登録。プロ初登板初先発は同年5月26日・楽天戦で敗戦投手。同年8月7日・楽天戦でプロ初セーブ。

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