【野球】ロッテ、リーグ2位のチーム打率 村田コーチが今季から採用した“個別ミーティング”の効果とは
現在熾烈(しれつ)なCS争いの渦中にいるロッテ。チーム打率がソフトバンクに次ぐリーグ2位の・249をマークする中、村田修一打撃コーチ(43)が今季から始めたのはスタメン選手との個別ミーティング。データを頭にたたき込み、その上で考える力を養うため、毎試合前に実施している。プラス作用は大きく、選手との対話が増え、若手選手の急成長にもつながっている。
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厳しいCS進出争いを繰り広げるロッテ。勝ち越した7月は月間打率・275と好調だったが、8月は低迷。今季最も低い打率・229まで落ち込んだ。村田打撃コーチは「終盤になって落ちてくるのは心配していた。やれることはやらないと」と話し、9月は復調気配を見せている。
その中で村田コーチが今季から取り入れたのがスタメンとの個別ミーティングだ。毎試合前に、選手、村田コーチ、星野チーフアナリストの3人で相手投手の特徴やどう攻めていくかについて話し合うという。
「個々で話をした方が会話できる。考えが合致すればそのままドンっていける。合致しないときにはこういう考え方もあるから、頭の片隅に入れてと。最後は自分で決めるのが大事」
戦う上での基本材料となるデータをともに頭にたたき込む。だが、試合ではデータ通りに攻められるとは限らず、「そこは自分で決定するしかない。そういう腹くくりをしようと話している」と、ミーティングでは考える力も養っている。
この方法を取り入れてから「(選手が)自分たちから近寄ってくるようになった」という。打撃ケージ裏で星野チーフアナリストと作戦を練っている時に、自ら会話に参加してくる選手が増えた。「自分でデータを今まで以上に見て、自分でやることを決めて、僕らのところに来る。プラスの方向に働いている」と効果を実感している。
ミーティングを実践した今季、1番成長を感じたのは小川だと話す。「去年は3本しかヒットを打っていなかったけど、今年はあんなに頑張ってチーム打率より上を打って出塁もしている。自分で考えていろんなことを取り入れている」。小川本人も「球数を投げさせたり、塁に出てくれという時は試合前にはっきり言われる。自分のやるべきことを村田さんとも話し合って、考えてできるようになった」と手応えを口にする。
残りは10試合。技術より、最後は気持ちだ。「技術でカバーできるならしているはず。残りは踏ん張って、粘り強くやれるか。負けたくないという気持ちをどれだけグラウンドでパフォーマンスとして出せるか。終盤になればなるほど、ハートで体を動かしてほしい」。漢(おとこ)村田のアツい指導を、選手が体現する。(デイリースポーツ・南香穂)