【サッカー】これぞ“等々力劇場” 元日本代表中村憲剛の12・14引退試合で「キングダムユニ」「マグロ解体ショー」「前夜祭」…異例づくしの概要発表

 「すしざんまい」ポーズで記念撮影をする中村憲剛氏(左から2人目)と会見出席者
 12・14の引退試合で開催の「けんござんまい」キービジュアル
 12・14引退試合で着用される「キングダム」デザインのユニホームイメージ
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 J1川崎一筋で18年間活躍し、2020年に現役引退した元日本代表MF中村憲剛氏(43)の引退試合(12月14日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 14時開始)の概要発表会見が、20日に川崎市内で開かれた。通常の引退試合とは一線を画すイベントの数々で、希代のバンディエラ最後の勇姿を演出する趣向だ。

 引退から4年を経過しての引退試合。20年はコロナ禍とあって、セレモニーでも声出しは禁止されていたが、会見で中村氏は「ファン、サポーターのみなさんに気持ち良く(応援歌を)歌っていただいて、試合する機会をもう一回やりたいと。封じていた思いが一気にわき出た」と開催へ至った思いを説明した。

 引退試合は2部構成。前半は「JAPANフレンズ」として日本代表でともに戦った小野伸二、内田篤人、長友佑都らが参加予定。後半は「KAWASAKIフレンズ」としてジュニーニョを初めとしたOBに現役選手を加えた川崎なじみの面々が参戦する。

 これだけでも十分な内容だが、ここからがフロンターレの真骨頂だ。MC役のOB・中西哲生氏が「今までの引退試合の概念とは確実に一線を画す」と話すイベントの数々が発表された。

 ①引退試合なのにエキシビションマッチ

 引退試合の1時間前にはエキシビションマッチを開催。少年サッカーチームで中村氏の先輩だった元なでしこジャパン・澤穂希氏が11年女子W杯優勝メンバー中心の「なでしこフレンズ」を率いて中村氏と対戦する。

 ②引退試合なのに前夜祭も

 前日の12月13日には試合が開催されるU等々力で「KAWASAKIフレンズ」の公式練習を一般公開。中西氏が「日本代表か!」とツッコミを入れる練習公開に加え、未発表のイベントも企画されている。

 ③引退試合で「ケンゴダム」ユニホーム

 「JPANAフレンズ」のユニホームは、親交のある漫画「キングダム」の原作者・原泰久が中村氏を武将風に描いた書き下ろしイラストをデザイン。「ケンゴダム」ユニホームとして一般販売も予定されている。

 一方で「KAWASAKIフレンズ」ユニホームは、11年の東日本大震災で被災した陸前高田市出身で、小学生時代から中村氏と交流を続けたデザイン会社勤務の菅野朔太郎さんがデザインするというエモい演出も。

 ④引退試合なのに「すしざんまい」

 もう何でもありだ。中央大の先輩というつながりで大手すしチェーン「すしざんまい」の木村清社長に協力要請。当日は「けんござんまい」としてマグロ解体ショーや、マグロの握りの販売を行い、始球式には木村社長が“すしざんまいポーズ”でGKを務めるという。

 これもイベントのほんの一部という盛りだくさんぶりだが、これも中村氏の「恩返しをする1日、感謝を伝える1日。みんなで楽しめる素晴らしい1日にしたい」という思いがあるから。「川崎市に育ててもらった思いが強い。今回の引退試合は収益を川崎のスポーツのために寄付したい」とも。多くのファン・サポーターに愛された男は、最後まで中村憲剛らしく等々力のピッチに立つ。(デイリースポーツ・中田康博)

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