【サッカー】高井幸大のA代表デビューがもたらした変化 アジア杯予選へ臨むU-19代表FW神田「若いから代表は無理という考えは捨てられた」

 ロス五輪世代となるサッカーU-19日本代表が、キルギスで行われるU20アジア杯予選に臨む。来年2月に中国で開催のアジア杯本戦、そして同5月にチリでのU-20W杯を目指す戦い。25日に初戦のトルクメニスタン戦を迎える。

 世界の戦いへ向かう若き日本代表。その彼らに大きな刺激を与えているのが、5日にW杯アジア最終予選・中国戦(埼スタ)でA代表デビューを果たしたDF高井幸大(20=川崎)の存在だ。

 昨年のU-20W杯に出場後、パリ五輪へ出場するU-23代表に飛び級で選出され、U-23アジア杯そして今夏のパリ五輪に出場。一気にA代表へと駆け上がっていった。身近な存在としてともにプレーした選手もいるU-19日本代表にとっても、大きな意識の変化を生んでいる。

 J1川崎でともにプレーするFW神田奏真は「自分と年齢も1つしか変わらない。年齢が若いから代表は無理という考えは捨てられた。意識が変わった」と話し、今大会に際して「毎試合出て、毎試合得点を取りたい」と強い意志を示した。

 U-19代表の船越優蔵監督も「高井が入ったのは刺激になる。高井さんが行ったのなら俺も…という風にモチベーションになってくれている」と効果の大きさを話す。この代表には神田やMF大関(福島)、DF本間(横浜M)、市原(大宮)、GK中村(東京V)とA代表のアジア杯やパリ五輪にトレーニングパートナーとして帯同経験のある選手が多くいる。

 「そこ(高井)の壁は近いようで、すごい差だと彼らも分かっている。間近にトップトップの選手の振るまいや意識を体験しているので」と船越監督。高井を選出したA代表の森保一監督も意識変革へ一役買っている。

 17日から千葉市内で行われた合宿初日には、練習前ミーティングに森保監督自ら赴き、約15分間、選手たちへ言葉を送ったという。「僕らが100回言うよりも、森保さんが1回言った方が言葉の力もある。速く基準をA代表に合わせて戦ってくださいと、自分たちもできるということを思い切り出してきてくれという話をされた」と船越監督は明かした。

 DF高橋仁胡(C大阪)も「代表監督が話をしてくれたのはうれしかったし、力になる。モチベーションも上がるし、みんな頑張ればいつか(A代表に)入れると思える」と話した。

 もちろんロス五輪を目指す世代ではあるが、船越監督は「今回はU-19で戦うが、これが終わったらすぐにA代表へ行けと。それぐらいのスピード感を持ってやらないといけない」という。高井の中国戦出場時間は約25分間。そのわずかな時間に魅せられ、意識改革を行った選手たち。来年のU-20世代のアジア杯、W杯だけでなく、その先を明確に見据えてキルギスの地で躍動を見せる。(デイリースポーツ・中田康博)

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