【スポーツ】なぜ?早田ひなも“2個一気食い”する「資さんうどん」の魅力とは 幼少期から支える北九州のソウルフード 冬に関東初上陸
福岡県北九州市のソウルフードが勢いに乗っている。同市を中心に展開しているチェーン「資(すけ)さんうどん」は九州7県、関西に進出し、関東にも今冬初上陸するが、運営する資さんは今月、外食大手すかいらーくホールディングス傘下に入ることを発表した。同市出身でパリ五輪卓球女子2種目メダリストの早田ひな(24)=日本生命=も幼少期から愛した味が、徐々に全国区となりつつある。
今夏激闘を繰り広げた早田を昔から支えてきたのは地元の味だった。現在練習拠点が大阪で、東京での合宿や海外遠征も多いため北九州に帰ることは年に数日程度だが、それでも帰省時にはほぼ毎日、資さんうどんに通うほどの愛好者で「地元に帰ったときは基本的に毎日、資さんうどんを食べている」と明かす。
関西出身である記者にはなじみがなかったが、今年4月、早田の出身クラブである「石田卓球N+」におじゃまし、恩師の石田真行(まゆき)さん、千恵子さんに早田の幼少期からの歩みを聞いた際、この好機を逃すまいと資さんうどんを実際に食べてみた。まず一口目で強い印象を受けたのがダシで、サバ、うるめ、昆布、シイタケなどから丁寧に絞ったという自慢のスープは異なるうまみ成分による波状攻撃を生み出し、もちもち食感のうどんとの相性も抜群で箸が止まらなくなった。
また、メニューの多さも特長で、丼やおでん、おにぎり等も豊富。「かしわうどんが一番好きだが、焼きうどんもめちゃくちゃおいしい。(どちらか)迷って2個を一気に食べたり、それくらいどのメニューもおいしくて(注文を)決められない」(早田)。さらに、ぼた餅も名物で老若男女に愛されており、地元民が日常的に通いたくなる魅力の一端がわかった気がした。
“男先生”こと真行さんによれば「試合前は脂っこいものは避けて、消化のいい炭水化物を食べた方がいい」と指導したのがきっかけで、早田も自然と近所の資さんうどんに通い、試合前はうどんや親子丼を食べるのが習慣になったという。「昔は気にして食べてなかったが、大阪や東京に出たときに『資さんうどんが恋しいな』と思うことがよくある」(早田)。また、大好きなかしわにぎりは家族に頼んで遠征に持ってきてもらうこともあるといい、「海外でも北九州を味わって頑張っている」と笑う。
1976年の創業以来、北九州市を中心に展開してきた資さんうどんだが、昨年には関西に1号店を出店し、九州は7県全てに進出。さらに、今冬には関東にも初上陸する。早田の活躍も相まって、メダリストを育てた北九州発のソウルフードが全国区になる日も近いかもしれない。(デイリースポーツ・藤川資野)