【野球】巨人はなぜ、チェコ代表フルプを獲得したのか 今季途中に2人の助っ人野手獲得に成功 フルプも育成型か ウォーカーの再来へ
巨人は26日、川崎市内で新外国人選手として獲得した育成選手・マレク・フルプ外野手(25)の入団会見を行った。同席した巨人・吉村禎章執行役員編成本部長国際担当兼国際部長が獲得した経緯を明かした。
フルプは昨年のWBC・チェコ代表。大学生だった昨年3月の東京ドームでの1次ラウンド東京プール・日本戦でロッテ・佐々木朗希の163キロをとらえて左翼線二塁打を放ち大きな注目を集めた。今季は独立リーグでプレーした。
昨年のWBCでの東京ドームでプレー後、巨人が獲得するきっかけが生まれた。吉村執行役員編成本部長国際担当は「阿部監督が気になる選手がいると。調査してほしいと」。その後の視察で「阿部監督と同様、伸びしろを感じた。シーズン終了を持って、スカウトが面談して獲得にいたった」と明かした。
魅力については「バッティングはパワーもあり攻撃的。走塁も素晴らしいアグレッシブでスピードがある。より一層、磨いていくと素晴らしい選手になると感じました」と期待を込めた。
無限の可能性を秘めた未来の主砲候補だろう。193センチ、99キロと恵まれた体を持ち、チームの強化ポイントである右打ちの外野手である。今季は米独立リーグ、アメリカン・アソシエーション(AA)レイクカントリー・ドックハウンズの一員として公式戦80試合に出場。打率・252、7本塁打、43打点。長打力もある。
巨人は今季途中に2人の右打ち助っ人野手を獲得した。外野手のエリエ・ヘルナンデスと内野手のココ・モンテスだ。ヘルナンデスは8月に左手首骨折で離脱したが、高打率も残せるスラッガーで守備力も高い選手として活躍。モンテスは内野手だけではなく外野も守れヘルナンデス同様に日本向きの選手だ。巨人の歴史上、シーズン途中に獲得した助っ人野手が2人も同時に活躍するのは“初”のケースだろう。
2人は支配下の選手ではあったが、来日後はシステムも球場の環境も整った状況のファームでみっちりと鍛えられた。2人とも現状は20代と年齢も若い、いわば“育成型の助っ人”。フルプも潜在能力が高く、まだ25歳だけに伸びしろもたっぷりある。
米独立リーグでプレーした巨人の助っ人といえウォーカー(現ソフトバンク)がいる。ウォーカーは来日1年目の2022年に23本塁打を放った強打の助っ人で、日本で多くのことを学んだ。“育成型助っ人”としても期待されるフルプの成長過程も楽しみだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)